研究課題/領域番号 |
19K13483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
菊池 亨輔 広島大学, 人間社会科学研究科(法), 講師 (70835074)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 自由法論 / 法感情 / 構成法学 / 感情法学 / リーガル・リアリズム / 法学教育 / 隠れた社会学 / 社会学的法学 / 法的構成 / 一般条項 / 法的思考 / 裁判 / リアリズム法学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、裁判が法に基づくと評価できるための条件を探究する。一方で裁判は既存の法からの単純な演繹とは言えないが、他方で裁判官が法とは無関係に判決を出すわけでもない。法および法以外の要素の考慮の上に成り立つ現実の裁判が、法に基づいているか否かを判定する理論的枠組みの獲得をめざす。 そのため本研究では、法規範の絶対的な拘束を否定し、裁判の現実を直視しようとした二つの法思想上の潮流――ドイツの自由法論とアメリカのリアリズム法学――に注目する。両潮流の思想史的連関に留意しつつ、特に法実務家でもあった論者の見解を検討することで、現実の裁判像およびそこでの法規範の意義を捉え直す。
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研究成果の概要 |
本研究は、法に基づく裁判はいかにして可能かという問いをめぐり、現実の裁判のあり方を直視しようと試みた自由法論とリーガル・リアリズムという二つの思想潮流に注目し、法と感情の関係性、隣接学問分野の利用、法学教育の改革、法的な正当化のあり方などについて検討した。そのなかで、従来の見方とは異なり両者とも裁判の予測可能性の向上を図ろうとしたこと、自由法論からリーガル・リアリズムへという方向での大陸を跨いだ影響関係が確認できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、既存の法源による拘束性を否定する裁判像を打ち出したものとして概括的・消極的に把握される傾向にあった自由法論およびリーガル・リアリズムについて、これまで十分に明らかにされてこなかった具体的・積極的構想を示すとともに、2つの思想潮流の関連と共通基盤を明らかにした点で学術的意義を有する。また、法学、法実務および法律家養成のあり方に関する議論の批判的再検討は、社会変動に適応しつつも予測可能で公正な裁判を実現していくにあたって、その基礎となる視座を提供するものと考えられる。
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