研究課題/領域番号 |
19K13501
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
小林 祐紀 琉球大学, 法務研究科, 准教授 (40761458)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 裁量論 / 公法学 / 憲法 / 準手続審査 / 憲法訴訟 / 立法裁量 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国会が立法にあたり行使する政治的・専門技術的裁量(立法裁量)を有することを強調するあまりに裁判所が国会の裁量権の行使に十分な統制を行ってこなかったという問題意識を前提に、裁判所による実行可能で、かつ人権保障に資する新たなアプローチを構築するという観点から、準手続審査に着目し、その理論的・実践的応用可能性を探究しようとするものである。具体的には、準手続審査を裁量統制手法として積極的に適用し、その事例も数多く存在する諸外国の裁判例・学説を検討することを通じて、いかなる領域でどのような条件の下で準手続審査が適用可能であるかを検討しようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究の目的に照らし、準手続審査の適用条件を実際に画定すべく、各裁判所の判例や文献を収集するとともに、それらを分析・検討するなどの研究を進めてきた。同時に、準手続審査の前提となる裁量論のあり方に関する検討も進めてきた。本研究期間全体を通じての研究の成果としては、立法府の裁量が――明示的であるか黙示的であるかを問わず――前提にされていることを裁判所による敬譲審査の根拠とする場合に、立法府には敬譲を導き出す条件として、立法の「合理性」を獲得する義務が存在し、裁判所としては立法府の当該義務を、立法過程を通じて適切に履行していると認めることができる場合に敬譲的審査を行うべきであるということである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来憲法学が立法裁量の問題に対処すべく試みてきたアプローチに一定の意義を認めつつも、裁判所による実行可能で、かつ人権保障に資する新たなアプローチを構築するための一方法を検討するというものである。立法裁量に関する従来の研究の主たる関心は、立法裁量の認められる(裁判所の敬譲審査の認められる)領域を如何に画定するかという議論に集中し、立法府に付与される一定の裁量を前提に、問題となる権利の重要性から裁判所が如何に実効的な統制を図るかという議論が不十分であったため、こうした憲法学が抱える課題に対して、本研究は一つの道筋を示すことができたように思われる。
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