研究課題/領域番号 |
19K13512
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05020:公法学関連
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研究機関 | 同志社大学 (2021) 福岡大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
桧垣 伸次 同志社大学, 法学部, 教授 (00631954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ヘイト・スピーチ / 非規制的施策 / ヘイト・スピーチ解消法 / 表現の自由 / 政府言論 |
研究開始時の研究の概要 |
従来のヘイト・スピーチを巡る議論は、その規制が表現の自由の不当な侵害となるか否かに焦点が置かれていた。この問題については、一般的に、規制に積極的なアメリカと消極的なヨーロッパ諸国とが対比される。これに対して、近年では、両者とは異なる、「第3の道」を主張する立場がある。それによると、教育活動などの、非規制的施策により、表現の自由を保障しつつも、ヘイト・スピーチを抑制することが期待できる。しかしながら、これらの政府の活動は、表現を萎縮させる効果も持ちうるため、その射程が問題となる。 本研究では、「第3の道」である非規制的施策について、その憲法上の位置付けおよび射程について検討する。
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研究成果の概要 |
近年ではヘイト・スピーチが大きな社会問題となり、規制法を制定すべきだとの主張もなされるようになってきた。これをうけて2016年にはヘイト・スピーチ解消法が制定されたが、同法はヘイト・スピーチを「許せない」としつつも、刑事罰を科していない。同法は、啓発などの非規制的な施策を用いてヘイト・スピーチを抑止することを目的としている。 本研究では、このような非規制的施策の可能性と問題点について、外国法との比較や法務省へのインタビューなどを通じて検討した。また、このような日本独特のヘイト・スピーチ法の比較法的な位置付けを探るため、日本のヘイト・スピーチ法を紹介する、英語による著書を編者として出版した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでヘイト・スピーチに対しては、主として規制するか否かという問題に焦点が当てられてきた。それに対して、本研究が着目した非規制的施策は、表現の自由を尊重しつつもヘイト・スピーチの抑止を目指すものである。このやり方は、従来の議論が直面してきた、表現の自由の要請とヘイト・スピーチ抑止の要請という、相反する2つの要請を満たす可能性を持つものである。これからの日本のヘイト・スピーチ法の方向性を探るものとしても意義があるといえる。
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