研究課題/領域番号 |
19K13517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
越智 萌 立命館大学, 国際関係学部, 准教授 (30837323)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 人権基準 / 国際刑事司法 / 国際法 / 法源 / 法の一般原則 / 普遍性 / 国際刑事裁判所 / 混合法廷 / 一般原則 / 捜査開始許可 / 在廷原則 / 国際刑事法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国際刑事法における「人権基準」という規範の法的性格と内容を、近年の国際刑事判例の分析から明らかにする。 第一に、「人権基準」の法的性格については、既存理論の分析に基づき理論的仮説(新たな法源論)を提示し、同仮説を実証分析(諸国際刑事司法機関の判例研究)を通じて検証する。 第二に、「人権基準」の内容については、既存解釈の妥当性を、条文の起草過程の議論の分析等を通じて検証したのち、妥当と思われる解釈の実証分析(諸国際刑事司法機関の判例研究)を行う。 第三に、「人権基準」の法的性格と内容が国際刑事司法に与える影響について理論分析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、国際刑事司法機関において適用される「国際的に認められた人権基準(人権基準)」という規範の法的性格と内容について明らかにすることを目的とした。法的性格に関しては、法の一般原則との類似性が見られること、ただし、一定の「人権基準」に一致する国内法のみを比較法の対象とする点で、「文明国が認めた」要素を復権するものである可能性を指摘した。また、「人権基準」は既存の適用法の解釈および適用に限定されない、新規範の承認の過程を生じさせるものである可能性を明らかにした。内容に関しては、過去には欧州の規範への偏りが見られたものの、近年の判例では普遍的規範への依拠が試みられていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
「人権基準」概念は国際刑事司法機関の権限を大幅に拡大させる機能を持つ一方で、その内容如何によっては大幅に制限する機能、および、多様な国際刑事司法機関の適用法と結論に調和をもたらす機能を有するため、その法的性質と内容の解明が必要とされてきた。本研究で明らかとなった、法の一般原則との類似と差異は、「人権基準」が果たす、特定国の基準を国際刑事司法に持ち込む機能を示唆する。学術的には、国際法の法源の分類論と、人権基準の普遍性に関する理論に新たな視点を提供する点が指摘できる。社会的意義としては、国際刑事司法機関における法実務における人権基準の認定方法および認定素材に関する反省と発展の指針を提供した。
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