研究課題/領域番号 |
19K13520
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
佐藤 量介 成城大学, 法学部, 准教授 (10707342)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 国連 / 安保理 / 許可 / 例外 / 武力行使 / 同意 / 法解釈 / 変遷 / 国際法学 / 国際公法 / 国際組織法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国連が、国連憲章に基づく自らの機能・権限を柔軟かつ創造的に行使した結果、国連憲章に事実上の変容が生じたと思われる実態を、国際法及び国際組織法からなる既存の分析枠組みに、法社会学的要素、憲法学的要素及び行政法学的要素を導入することで、これを再評価することを目的とする。その再評価にあたっては、国連の機能・権限が示す「公的機関性」「公権力性」と、国連と加盟国等のそれぞれの対応が示す「応答性」に着目する。そこで鍵となるのは、国連(特に安保理)と加盟国との関係が、「国際社会の公的機関」と「国際社会の構成員であり受範者(受益者)」という関係性を事実上帯びているのではないかといった問いである。
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研究成果の概要 |
国連憲章の事実上の変容を、憲法学上の「憲法変遷」を類推適用することで理論的に考察し、同理論を国際法次元に類推適用する上での理論的課題を提示した。また、現行の国際組織法理論を批判しつつ、その解決策の一つとして公法理論の導入を試みた先行研究の方法論的・理論的問題を批判的に検討し、国際組織法理論へのあるべき公法理論の導入方法について、「存在論的・目的論的・義務論的」アプロ―チの必要性など幾つかの方向性を示した。
さらに、国際組織法の解釈とその発展・変容にも、「解釈共同体」といった多元的な解釈主体とそれらによる複合的な解釈の相互作用が何らかの影響を与えている可能性を強く認識するに至った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
設立文書に基づく国際組織の実施の活動・実行の法的評価が国際法解釈の枠組みでは問題を生じつつも、グローバル社会のアクター・受益者の目線・要請からは更に柔軟・実効的であることが求められているという対立的な問題状況に対し、「変遷」という解釈論と立法論の架橋的理論枠組みを用いることで、国際組織の法理論研究がこの対立状況を止揚できる可能性に光を当てたこと、また、「変遷」理論の国際法次元への導入にあたり、グローバル公法・公法再検討論の研究成果に照らしてその要件である「法的確信」をグローバル社会の現状・構造の反映としての「承認」に修正し得る可能性を示したこと、以上が本研究成果の学術的意義である。
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