研究課題/領域番号 |
19K13521
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
田中 佐代子 法政大学, 法学部, 教授 (20709323)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 自衛権 |
研究開始時の研究の概要 |
非国家行為体による攻撃に対して、国家は自衛権を行使することができるのか、という問題をめぐり、学説は長らく対立している。 この問題について、本研究は、自衛権行使対象となる非国家行為体の性質に着目した検討を行う。特に、テロ組織などの非国家行為体が、単に一国への脅威にとどまらず、国際社会全体にとっての脅威と捉えられるような場合について、自衛権行使の可否や基準を明らかにしようとする。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、非国家行為体による攻撃に対して、国家は自衛権を行使することができるのか、という問題について、特に、自衛権行使対象となる非国家行為体の性質に着目して検討を行っている。 2023年度は、国連憲章制定以降の国家実行の検討を継続した。自衛権を援用した国家や、それに支持・黙認・非難など何らかの反応を示した国家が、非国家行為体の性質をどのように捉えていたのかを分析した。この結果を2024年度中に全体としてとりまとめ、公表することを目指している。 加えて、2023年度は、非国家行為体が関わる場合に限定せず、自衛権一般の研究を進めた。第一に、2022年12月に閣議決定された日本の新たな「国家安全保障戦略」において、反撃能力の保有が決定されたことから、これを国際法上の自衛権との関係で評価することを試みた。その中で、特に、自衛権の発動時点に関する議論を整理した。武力攻撃は開始されたが、その効果が被害国に到達していない時点での自衛(いわゆる迎撃的自衛)の主張においては、急迫した武力攻撃に対する先制的自衛との区別が課題となる。また、急迫した武力攻撃に対する先制的自衛を許容する立場において、近年、急迫性をゆるやかに解する傾向が強まっていることが懸念される。第二に、国際司法裁判所オイル・プラットフォーム事件判決について判例研究を執筆した。これらの作業を通じて、自衛権の諸要件の整理・分析を進めることができ、その成果を、今後、直接に非国家行為体に関わる研究にいかしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
感染症拡大および2021年度の研究中断の影響が残っているものの、研究期間を延長して取り組んでおり、進捗の遅れを挽回しつつある。
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今後の研究の推進方策 |
関連する国家実行の分析を継続してより網羅的に行い、その成果を取りまとめて公表するための作業を進めていきたい。
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