研究課題/領域番号 |
19K13525
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 西南学院大学 |
研究代表者 |
根岸 陽太 西南学院大学, 法学部, 准教授 (50815983)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 国際法 / 人権 / 世界人権宣言 / 現象学 / 移民・難民 / 感染症 / 先住民族 / 戦争 / COVID-19 / 国連人権理事会特別手続 / 信念体系としての国際法 / 共約不可能性 / ロシア・ウクライナ戦争 / 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) / 出入国管理 / 国際人権理事会 / 国際人権法 / 脱学習 / 信念体系 / 志向性 / 間主観性 / 生活世界 / 友愛 / 法源 / 批判的国際法学 / 欲望論 / 言語ゲーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究が提供する認識枠組は、①「理性と良心を備えた差別なき個人」像 という抽象的前提を見直し、②個人が他者と営む生活世界で内的に体験する欲望を始原として自由と平等に異なる意味と価値を与え、③多種多様な意味と価値に関する間主観的 確信を創出する言語ゲームとして兄弟愛を定位し直す。これらの試みにより、世界人権宣言の神殿構造に象徴される国際人権法の仮想的普遍性(とそれに対する相対主義の主張)は真の意味で解体され、国際人権法の新たな認識への扉が開かれる。
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研究成果の概要 |
本研究は、世界人権宣言を基礎とする国際人権法が世界を貫く暴力原理に対抗する法体系として普遍性を有するかを問い直すことを目的とした。その手段として現象学との接合を図り、客観主義的な国際法学の普遍性認識を問い直し、国際法律家の主観的かつ相対的な意識(志向性)が生活世界の地盤を経由する方途を解き明かした。この現象学的国際法の理論枠組を応用し、移民・難民の権利、先住民族の権利、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と人権、人種差別、ロシア・ウクライナ危機などの様々な具体的問題に取り組んだ。その成果は、国内外学会での口頭報告、全国規模の学会雑誌、査読つき国際雑誌、編著への寄稿などに結びついた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、国際法学において従来検討されてこなかった現象学の知見を導入することで、国際法律家が人間として持ち合わせる生活世界の諸要素(意識・身体・感情など)を俎上に載せたことにある。第三者視点から理念的に説明しようとする伝統的な枠組では、これらの主観的かつ相対的な要素を捨象して眼前の社会的危機(難民、感染症、戦争など)を説明しようとすることで、人間的生の現実とは乖離した説明に陥りがちであった。これに対して、本研究の現象学的視角は、それらの危機において被害を受ける人間的生を一人称視点から把握することで、真の意味で国際(人権)法学を実証的学問へと鍛え上げる道筋を提示した。
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