研究課題/領域番号 |
19K13537
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
山科 麻衣 東京都立大学, 法学政治学研究科, 准教授 (30758256)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 電磁的記録不正作出罪 / 支払用カード電磁的記録不正作出罪 / 偽造罪 / 文書偽造罪 / 電子マネー / 刑法 / 電磁的記録不正作出 / 偽造 / 電子媒体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,拡大し続けるペーパーレス社会において,電子文書や電子マネーといった電子的媒体に対し不正な改ざんを加える行為につき,刑事法としての対処,特に偽造罪に関連した処罰による規制方法の可能性を明らかにするものである。これまで我が国では,取引において利用されるのは紙媒体の契約書や証明書,通貨であり,文書偽造罪や通貨偽造罪でこれらの信頼性を保護してきた。しかし,現在では紙を媒介しない電子文書や電子マネーを利用した取引が広がり続けている。このような状況において,客体が電子的媒体となった場合の刑事法処罰の在り方を明らかにすることで,経済・取引システムの信頼に寄与する法的担保の確保を目指すものである。
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研究成果の概要 |
電子的媒体への改ざん等に対応するため現在刑法に置かれている電磁的記録関連規定は、従来文書に与えられてきた信頼保護と同様の保護を電磁的記録に与えるという目的で加えられたものであった。しかし、電磁的記録の特殊性を重視した規定としたことで、不正作出という要件解釈と適用の困難性を生んでおり、また支払用カードに関する規定では、電子マネーに対する保護としては不十分であることがわかった。妥当な処罰範囲確保のためには法改正を含め検討を進める必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
電子的媒体に記録される電磁的記録の保護としては電磁的記録不正作出罪等の規定が置かれているものの、電磁的記録が機能するシステムとの関係を踏まえて不正作出に該当するかが判断されるため明確な運用のためには更なる検討が必要であること、電磁的記録の中でも電子マネーについては現行法との関係で特殊な状況にあることを指摘し、保護法益の理解に照らして電磁的記録関連規定について見直すべき理由と必要性を示したことに社会的意義がある。
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