研究課題/領域番号 |
19K13546
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05050:刑事法学関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山田 早紀 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (20784010)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 弁護人の立会い / 被疑者取調べ / 虚偽自白 / 取調べの適正化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,日本では規定のない「被疑者取調べにおける弁護人の立会い制度」(以下,立会い制度)について実験的手法によって検証し,日本での導入について検討するものである。法の実務家や研究者においては議論があるものの,立会い制度の効果そのものや運用可能性について,実証的検討は日本においてはなされていない。本研究では,①立会い制度についての海外研究レビュー,②立会い制度の被疑者,捜査官に対する心的効果,③立会い制度下での可視化記録の効果について実験的手法を用いて検証する。これにより,日本における立会い制度の導入可能性,運用可能性について検討し,適切な導入方法について明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究では,被疑者取調べにおける弁護人の立会い制度(以下,「立会い制度」)について①海外研究のレビューを行って立会い制度の実情やその効果検証について知見を収集し,②立会い制度による被疑者,取調官への心的効果についての実験的検証,③立会い制度下での被疑者取調べの録音・録画記録(以下,「可視化記録」)における映像の効果を検証し,その取扱いについての実験的検証を行うことで,日本における立会い制度の導入必要性と運用可能性について検討し,適切な制度運用について提言を行うことを目指している。 2023年度は②について取調官への心的効果の実験的検証を行った2020年度の検証結果の再検証を行った。本実験では参加者は模擬取調べ場面において取調官役となり,被疑者役の俳優に対して取調べを行った。その際,弁護人役の俳優が立ち会う条件と立ち会わない条件を設けた。取調べ中,弁護人は発言せず,被疑者の斜め後ろに着席した。取調べ前,参加者は事件の概要の書かれた書類を読み,被疑者が犯人かどうか,判断した。取調べは20分の時間制限を設けた。取調べ後,参加者は被疑者が犯人かどうかを判断し,取調べ時に感じたことなどを尋ねる質問紙に回答した。本実験では,被疑者が犯人かどうかの判断等に差はみられなかった。取調べ技術等,まずは取調べの仕方を学ぶ必要があることから,取調官については研修期間を設けるなど,実際の取調べに即した実験の実施の必要性が見出された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年に実施予定であった検証を2024年度に延期したため,やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,まず取調官と被疑者への心的効果の検証を行う。つぎに立会い制度下での被疑者取調べの録音・録画記録における映像の効果の検証を行う。結果をまとめて学会等での報告を行う。
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