研究課題/領域番号 |
19K13577
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05060:民事法学関連
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研究機関 | 近畿大学 (2021-2022) 大阪経済法科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
石上 敬子 近畿大学, 法学部, 准教授 (50609154)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 約款 / 事業者間契約 / 定型約款 / 約款規制 / ドイツ / ドイツ法 / 不当条項規制 |
研究開始時の研究の概要 |
改正民法の新規定、「定型約款」(第548条の2~4)に関する一大論点は、「事業者間契約への適用の可否」である。法制審では、研究者委員が同契約が規制されることこそ新規定の意義だと主張したのに対し、事業者委員は強固な反対を示し、結論は今後の解釈論に委ねられることになった。そこで本研究では、事業者間契約につき「商慣習」を考慮しつつも規制対象とするとの規定(ドイツ民法310条1項)を有するドイツの議論を参考に、日本における事業者間契約規制のあり方への示唆を得る。
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研究実績の概要 |
当年度は、前年度の日本保険学会令和3年度大会(2021年10月24日)の学会発表のための調査過程で得られた知見を踏まえて、論文をしてまとめて公表する予定であったが、年度前半から新型コロナの関係で体調を大きく崩し、研究の時間がほとんどとれていない。このため最終的には、当年度も補助事業期間延長を申請するに至っている。 ただし、本研究課題のテーマである約款論の本質にかかわる論点として、約款における契約説について、日本のスポーツ仲裁事例を手がかりとして検討し、論文として公表した(「約款における契約説の意義に関する一考察―スポーツ仲裁自動応諾条項に関する仲裁判断を契機に」『これからの民法・消費者法(Ⅱ) ― 河上正二先生古稀記念』463-480頁(2023年、信山社))。また、同じく約款論と重なる学問領域である消費者契約論について、ローマ法に遡って後見的介入の意義を明らかにしたドイツ法論文について、その翻訳を担当した(コージマ・メラー「〈翻訳〉消費者保護法における「時間」という名の後見人」『これからの民法・消費者法(Ⅰ) ― 河上正二先生古稀記念』99-116頁(2023年、信山社))。 本研究課題については、既に2021年度より関連する研究課題が採択されており(武田直大「事業者間契約における不当条項規制に関する近年のドイツ法の議論の比較法研究」基盤研究(C)・2021年~2024年)、今後はその成果も精査しながら、本研究課題の方向性をまとめなおし、成果論文を公表したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
年度前半から新型コロナの関係で体調を大きく崩したため
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今後の研究の推進方策 |
後遺症も含めて体調は回復傾向にある。 現在(2023年度5月時点)は、本研究課題と関連する、生命保険文化センターの「生命保険に関する研究助成」の研究課題、「約款の内容規制における考慮事由としての抽象的利益――ドイツにおけるAllgemeininteressenをめぐる議論を契機に」の成果論文を提出したところであり、その過程で確認できた最新の学説動向等を踏まえて、ドイツ法部分は論文にまとめて、本学大学紀要である近畿大学法学第3号(2023年度9月脱稿、12月刊行予定)に投稿する。また、日本法部分は年内にまとめて、1~3月の東北大学民法研究会で報告し、その成果を2024年度に論文にまとめて、近畿大学法学に投稿する。
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