研究課題/領域番号 |
19K13584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 関西学院大学 (2021) 福岡大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
谷川 和幸 関西学院大学, 法学部, 准教授 (40584032)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 著作権法 / 公衆送信権 / リーチサイト規制 / 著作権 / リーチサイト / 技術的中立性 / インターネットと法 |
研究開始時の研究の概要 |
著作権法が規制すべき情報流通の態様として、例えば「インターネット」といった特定の技術を念頭に置いた条文を作ると、将来の技術革新に対応できず規制の漏れが生じてしまう。他方で、「電気通信を用いて著作物へのアクセスを提供するあらゆる方法」のような広範な条文を作ると、単なるリンクまで規制されてしまう。本研究では「技術的中立性の原則」の意義を探究することで、権利範囲の適切な設定方法について考察する。
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研究成果の概要 |
インターネット上の情報流通の規制については、WIPO著作権条約8条が、伝達に用いられる技術を限定せずに広い範囲の行為を対象とする「技術的中立性の原則」を採用している。EUはこの考えをそのまま指令に採用したが、インターネットを支える根幹の技術であるハイパーリンクについて、あらゆるリンクを規制することは好ましくないとして、その縮小解釈が図られている。日本は非常に詳細な送信可能化の定義やリーチサイト規制の定義を有しており、必ずしも技術的に中立的な条文となっていない。しかしこのことにも、過剰な規制を避け、行為者の予見可能性を確保するという積極的意義を見出すことができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、WIPO著作権条約第8条という同じ条文を国内法化するものでありながら、日本・EU・アメリカ・カナダの4カ国・地域においてその規律内容がまちまちであることを調査し、整理した。当初の立法内容は広狭両極端であるものの、EUがリンク規制の範囲を限定したり、逆に日本がリーチサイト規制を導入してリンク規制の範囲を拡張したりすることにより、両立場の歩み寄りが見られる。このような比較法的視座を得たことは、わが国において今後の海賊版サイト対策を検討する上でも有益な示唆を提供するものである。
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