研究課題/領域番号 |
19K13585
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
油本 真理 法政大学, 法学部, 教授 (10757181)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ロシア / 汚職対策 / 野党 / 反体制派 / 権威主義体制 / 汚職 / 反汚職政策 / 該当なし / 腐敗 / 国際規範 / 腐敗防止 |
研究開始時の研究の概要 |
ロシアにおいては、特に2008年の連邦法「腐敗防止について」の制定以降、様々な腐敗防止政策が導入され、独自の展開を遂げつつある。本研究では、政権にとっては自らの行動を制約しかねない諸政策がなぜ導入され、そしていかなる力学の下で変化を遂げてきたのかを明らかにすることを目指す。その際に、本研究においては、腐敗防止の国際規範の影響と国内政治要因との関係性、とりわけ、国内における主要政治勢力である政権・現職エリート・野党の相互作用に注目した説明を試みる。
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研究実績の概要 |
2023年度も、昨年度に引き続き(1)野党勢力による汚職批判が政権に与える影響、および(2)ロシアにおける各種の反汚職政策、に関する研究を進めた。特に多くの時間を割いたのは(1)の野党に関する検討である。そのための第一歩として、ロシアにおける政党システムの変遷を改めて確認する作業を行った。その成果として挙げられるのが『現代ロシア政治』(油本真理・溝口修平編、法律文化社)の第5章「政党・選挙」およびコラム「アレクセイ・ナワリヌイ」である。ここで、改めてこれまでのロシアにおける政党システムの変遷と、そこにおける野党の位置づけについての考察を行った。2024年2月にはこれまで汚職批判の急先鋒として活動を続けてきたアレクセイ・ナワリヌイ氏が獄中で死亡するという衝撃的な事件が起きたこと、さらに同年3月の大統領選挙が社会的な関心を呼んだことなどを受け、選挙や政党に関する一般向けの文章を複数発表した。これらの論考において明らかにした現在のロシアにおける野党の動向は本研究課題にも反映させる予定である。また、(2)についても追加的な作業を行った。特に、2010年代のロシアにおいて実施された資産公開制度の展開、「エリートの国家化」(公職者による海外銀行口座の保有禁止)、公職者のパージといった複数の政策領域が相互にどのような関係にあったのかという点がその検討の主題となった。これらの諸政策の概要とその相互作用を明らかにすることは、プーチン政権下において実施された反汚職の全体像把握のための重要な準備作業となる。2010年代ロシアにおける汚職対策についての最終的な研究成果は2024年度中に公刊予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ウクライナ侵攻の影響は昨年度と同様であり、ロシアへの渡航や現地での調査は依然として難しい状況にあるが、この間にインターネットを使った各種情報へのアクセスやその評価について一定の経験を積むことができた。全体としては順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、これまでの研究において明らかにしてきた各アクターの選好や政策決定プロセスを統合し、ロシアにおける反汚職の全体像を明らかにした論文を公刊予定である。
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