研究課題/領域番号 |
19K13586
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所 (2020-2023) 東北大学 (2019) |
研究代表者 |
内藤 寛子 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東アジア研究グループ, 研究員 (90801978)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 権威主義体制 / 中国共産党 / 法治 / 人民法院 / 人民検察院 / 司法体制改革 / 政法委員会 / 権威主義的法治 |
研究開始時の研究の概要 |
権威主義体制において、政治的自由度と法治の度合いは非相関関係にある。本研究の核心となる問いとは、なぜ権威主義体制下の政治指導者は「法治」を選択するのか/しないのか、である。本研究は、司法機関の機能の拡充を「法治」と定義し、中国共産党のガバナンスに注目する。 研究手法として、人民法院に対する命令的指導権を持つ党組織である政法委員会の組織改編および人事に注目する。具体的には、①1980年代後半に人民法院職歴任者が党中央政法委員会に登用され始めたことに関する中国共産党の論理に関する研究、②中国共産党が人民法院を重視する/しない要因を地方省レベルの比較研究から明らかにする。
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研究実績の概要 |
本課題の目的は、中国共産党の一党体制下にある司法機関の人民法院に注目し、権威主義体制下の政治指導者が「法治」を進める論理およびその条件について解明することであった。本課題は、現地調査を基にした質的な分析によって上記の研究課題の解明を計画していたが、新型コロナウイルスの感染拡大ならびに3期目を迎えた習近平政権による政治的引き締めの結果、現地調査を実施することが難しくなってしまった。 このような状況のなかで、今年度は二つの取り組みを行った。一つ目の取り組みとして、現地調査を基にした質的な分析以外の方法論の習得である。具体的には、量的分析を用いた先行研究への理解を深め、プログラミング言語Rを用いた内容分析の習得を始めたこと、そして、atlas.tiを用いたミドルサイズの質的データを量的に可視化するための方法論を習得したことである。 二つ目の取り組みは、エクセルを用いた簡単な記述統計とatlas.tiによって、習近平政権下における高級幹部の汚職への取り締まりの特徴を可視化させた(業績①)。この事例から、国家監察委員会の創設によって人民検察院の機能が国家監察委員会に取り込まれたということがわかった。また、人民法院に関しても、国家監察委員会の創設に伴い、審議時間が長期化していた。人民法院内でどのような変化が起こったのかという点については、今後の研究の課題である。
(業績①)Hiroko Naito (2024), "Is Xi Jinping's Authority over the Political Elite Growing?: Focusing on Time and Openness of the Corruption Trial Process" IDE Discussion Paper.
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