研究課題/領域番号 |
19K13591
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
河村 有介 神戸大学, 国際協力研究科, 助教 (00784125)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | アラブの春 / 社会保障改革 / 中東・北アフリカ / 権威主義体制 / エジプト / チュニジア / ヨルダン / 食料危機 / 黒海封鎖 / 新型コロナウイルス感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
中東・北アフリカ地域の権威主義国家では、全般的に大規模な社会保障制度が維持されてきたものの、2010年に始まった「アラブの春」によって、状況は一変した。中東・北アフリカ諸国では、政治の不安定化や経済停滞の結果、従来の社会保障制度を維持するために必要な財源確保が困難となった。そのため、社会保障改革の必要性に迫られるようになった。一方で、社会保障改革は国民生活にも大きな影響を及ぼすと考えられる。そこで、本研究では、エジプト、チュニジア、ヨルダンという3つの権威主義国家を事例として、「アラブの春」以降に各国で実施された社会保障改革と、その国民生活への影響について明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、エジプト、チュニジア、ヨルダンという3ヶ国における「アラブの春」以降の社会保障改革の動向の解明に努めた。助成期間中には、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大やウクライナ侵攻に伴う食料危機という、当初の想定にはない事態が生じ、事例3ヶ国の社会保障にも大きな影響を及ぼした。しかし、このような想定外の事象が生じたことによって、「アラブの春」以降、改革が進んだ社会保障制度がどの程度、危機の下で機能したのか、そして政治指導者がどのような選択を採ったのかを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
助成期間中、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大やウクライナ侵攻に伴う食料危機など、社会保障が機能することが期待される試練が発生したことによって、平時とは異なる、危機の下での権威主義国家における社会保障の動態を明らかにすることができた。これは、社会保障研究に対してのみならず、権威主義国家研究に対しても新たな知見を提供するものだと考えられる。 また、危機下の発展途上国における社会保障の動態を明らかにした本研究は、社会保障の質向上に取り組む国際開発の実務にとっても有用な知見を提供すると考えられる。
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