研究課題/領域番号 |
19K13601
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06010:政治学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
小島 望 明治大学, 政治経済学部, 助教 (10838171)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ネイション概念 / ナショナリズム / 近世 / ナショナリズム起源論 / 近世的ネイション概念 / ネイションの主権 / 国民国家 / ネイション / テキストマイニング / ネーション概念 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、17世紀イングランドとドイツにおける報道媒体を手がかりに、当時のネーション概念をその隣接諸概念との比較において定量化することを目的としている。具体的には、当時の初期的報道媒体に見えるネーションという語の出現頻度とその指示対象、並びにそこに備わる性格を統計的に比較するものである。国民国家形成の進展に甚だしい差異が見られる両地域の前近代的言説におけるネーション概念の異同を検証することを通じて、近代以前のナショナリズムの萌芽のあり方が明確化されるであろう。また本研究は、テキストマイニングによる統計的手法を用いる点において、従来の概念史研究と定量的研究の接続を図るものでもある。
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研究成果の概要 |
本研究においては、特に17世紀イングランドにおけるネイション概念のあり様を定量的に分析する方法を軸としながら、近代以前のネイション概念を手がかりとしながらナショナリズムの存否を近代以前に問う上での方法論やケーススタディを行った。具体的には、近世における定期刊行物に見られるネイション概念やその隣接諸概念との間の数的関係性や、それを踏まえてナショナリズムの存在に迫る上での留意点などを明らかにした。また、この時期の定期刊行物におけるネイション概念の具体的あり様の解明にも本研究は貢献するものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究において、ネイション概念を切り口としながらナショナリズムの研究を検証する手法は、一般的とは言い難く、またそれを定量的に分析することはこれまでの研究においては見られなかった。本研究では、こうした点を念頭に置いて、17世紀の特にイングランドに力点を置きつつ、ネイション概念と定量分析を組み合わせたアプローチを提案することができた。こうした手法は、異なる時代の他の地域・国を対象としても、ナショナリズム形成過程を解き明かすことに貢献すると考えられる。
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