研究課題/領域番号 |
19K13623
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 金沢大学 (2021-2022) 法政大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
渡辺 敦子 金沢大学, GS教育系, 准教授 (10821837)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | territory / space / concept / history / Japan / politics / international politics / intellectual history / 領土 / 帝国 / Global IR / 比較政治思想 / 概念史 / 国際秩序 / 尖閣諸島 / 日本政治思想 / state / conceptual history |
研究開始時の研究の概要 |
国家の基本概念である「領土」は、グローバル化の進展により重要性は低下すると予想されてきたが、テロリズムや領土紛争などに見られるように逆に存在感を増し、概念的見直しが進んでいる。本研究は、初期に成立した非西洋における西欧型近代国家である日本の同概念の受容と発展の歴史を、国内史の先行研究と英語圏の先端研究の成果をつなぎ合わせ、近代国際社会の世界的展開における日本の関与をグローバル概念史の視点から再検証する。発表は英語で行い、国際的な議論への参加を目指す。これにより、国境が希薄化する一方、国境紛争が激化する現代的矛盾への示唆を探るとともに、社会科学の欧米中心主義、国家中心主義の乗り越えを模索する。
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研究成果の概要 |
グローバル化により人間の社会空間は同質化したのか、多様化したのか。本研究は、日本における「領土」概念の受容を明らかにすることでこの問いに貢献した。領土は、人間社会を空間的に区切り、我々の行動を根本的に規定する。この概念は近代国家システムとともに欧州から拡大し、世界は一見「国際社会」として空間的に統一された。だが、元々社会空間概念が異なっていた日本のような文化で、領土がどう受容され、どう人間の行動を再規定したのかの研究は進んでいなかった。近年英語圏の国際政治学では文化を跨いだ概念史の研究が進み、それに従い同研究も国際査読誌の論文掲載など多くの成果を得た。また、海外共同研究にもつながった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、近年、国際政治学のみならず社会科学で広く関心を呼んでいる「知識の産出」についての貢献を目指したものである。日本は明治維新以来、西洋の知識を吸収し、アジアの中でいち早く独立国家となった国である。日本人が知識をどのように吸収してきたのかという問題は、国内では様々な形で取り組まれてきた古い問題であるが、この問いはこれまで、海外の研究の文脈の中に、特に現代の国際政治の問題を考えると言う意義を持って、位置付けられることはほとんどなかった。この研究はこのことを目指し、それを英語で研究、発表することにより、グローバルな知の循環における日本の位置を再考した。
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