研究課題/領域番号 |
19K13624
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
河内 久実子 横浜国立大学, 国際戦略推進機構, 講師 (30732664)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ラテンアメリカ地域研究 / ボランティア研究 / 冷戦 / 市民外交 / ラテンアメリカ地域 / 平和部隊 / 国際協力 / ソフトパワー / 米国外交政策 / ラテンアメリカ / 米国平和部隊(ピースコー) / 反米運動 / ボランティア / 進歩のための同盟 / 援助外交 / 国際関係論 / ピースコー(平和部隊) |
研究開始時の研究の概要 |
冷戦期のラテンアメリカでは、米国の政府系国際協力組織・ピースコーの撤退が相次いだ。その撤退要因には、政情不安や治安悪化のみならず、米国と任国間の政治的な問題によるものも存在する。ピースコーの追放に関する研究は、一部の国を対象とした事例研究は存在するが、域内の傾向を網羅する研究は皆無である。そこで、本研究では、ラテンアメリカ6ヶ国における追放事例をアーカイブ調査によってミクロに検討し、ピースコー追放に至る背景と米国との交渉過程を明らかにし、比較検証を行う。本研究の目的は、ピースコーの追放という米国への抵抗手段の分析を通し、国際関係における弱者の意思表示のメカニズムを明らかにすることである。
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研究実績の概要 |
本採択課題では、冷戦下のラテンアメリカ地域におけるピースコー(米国平和部隊)の追放事例を比較検証することにより、国際協力事業を通したラテンアメリカ諸国の米国覇権に対する抵抗のメカニズムを明らかにすることを目的としている。研究目的を達成するため、以下3つの項目を立て進めている。(1)追放の要因(政府・組織レベルでの分析)、(2)追放交渉の内容(政府・組織レベルでの分析)、(3)追放を経験したピースコー隊員を取り巻く状況(ボランティア個人の記録分析)。国や組織レベルの分析に加え、(3)の個人レベルの分析を加えることにより、政府系ボランティア事業の追放という事象をより多角的に検証し、追放による個人レベル(各ボランティア)への影響の有無等も併せて明らかにする。 2020年2月以前の海外調査で得たデータにて、上記の(1)と(2)の部分に関して、2021年度は分析と執筆に取り組んだ。その結果、2022年に『国際開発研究』に論文が掲載された。 追放事例の分析に合わせ、1965年のドミニカ共和国への米国軍事侵攻時におけるピースコーの役割の分析の重要性を感じ、2023年2月から3月にかけ、ドミニカ共和国の公文書館を中心にフィールドワークを行った。ドミニカ共和国におけるピースコーに関する報道、米国海兵隊による侵攻の市民の様子や対米感情に関する報道資料を主要新聞数社のデータべースで入手した。ドミニカ共和国側の資料とアメリカン大学で入手したピースコー隊員の手記や手紙をもとに、2023年は研究ノート「1965年ドミニカ共和国軍事侵攻と米国平和部隊―ソフトパワーとしての役割と限界点に着目して―」の掲載が決定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症蔓延の時期に、データ収集ができなくなってしまったことが大きく影響し、研究計画が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度中にデータの収集が完了したので、2024年度はこれまで取り組んできたピースコーの追放事例とドミニカ共和国の米海兵隊による軍事侵攻時のピースコーの動きを調査して得たデータを加え、論文を執筆中である。今年の11月末までに英語論文の国際誌への投稿を行う予定である。
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