研究課題/領域番号 |
19K13632
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
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研究機関 | 東京外国語大学 (2020-2022) 神田外語大学 (2019) |
研究代表者 |
舛方 周一郎 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (40734538)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 気候変動政策 / 多国間交渉 / 比較外交政策分析 / 戦略的パートナーシップ / ラテンアメリカ / 持続可能な開発 / 中国 / 南南協力 / 気候変動対策 / 再生可能エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
経済成長と環境保護の両立が迫られてきたラテンアメリカ諸国において、政治経済的に台頭する中国が気候変動政策を実施する制度改革にどのように関与したのか、その政治過程を分析する。特に本研究では2008年以降に中国がラテンアメリカ諸国と締結した戦略的パートナーシップの役割に注目して、ブラジルとメキシコの事例を比較分析することで、二国間のパートナーシップの強化が気候変動政策を推進/抑制する因果関係が存在するかを検証する。本研究の課題は、貿易・投資の増大により中国の南南協力が活発になったアフリカや太平洋諸国の事例においても適用可能性が高く、比較外交政策研究の理論・実証の両側面で貢献ができる。
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研究成果の概要 |
本研究は、エネルギー資源が豊富なブラジルにおいて、地球温暖化を含む気候変動政策を実施するための制度改革に、中国やインドなどの域外大国が関与する政治過程を分析することを目的とした。経済発展を重視するブラジルは、近年、気候変動政策の実施において中国との連携を強めている。一方、中国の関与を脅威とみなし懐疑的な政権もあり、政権の政治姿勢によって中国の関与の利害が異なることが知られている。本研究では、当初の計画から大きく発展させて、2008年以降、中国、インド、南アフリカ、ロシアがブラジルと結んだ戦略的パートナーシップの役割に注目し、気候変動政策におけるBRICS諸国間の競合と協力の関係を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の知見は、中国の南南協力が活発になったアフリカや太平洋諸国の事例でも適用可能性が高い。また新興大国同士が連携する力学に注目することは、先進国と途上国の二項対立を主軸とする気候変動交渉研究と、外国政府の対外的な影響を捨象して国内の政策過程のみに焦点を当ててきた気候変動政策の研究に修正を迫る学術的な意義もある。化石燃料が持つ優位性が世界のエネルギー転換の潮流を左右する中で、現在の国際社会の情勢はエネルギー転換に向けた重大局面になる見方がある一方、ブラジル・ロシア・インド・中国・南アで構成されるBRICS諸国は連携を深めている。新興大国間の競合・協力関係を考察した本研究には社会的な意義がある。
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