研究課題/領域番号 |
19K13644
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 北星学園大学 |
研究代表者 |
多鹿 智哉 北星学園大学, 経済学部, 准教授 (70801562)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 陪審定理 / 合理的群衆行動 / ひっかけ問題 / チープトーク / 内生的バイアス / 相対多数決 / 多数決 / コンドルセ陪審定理 / 逆陪審定理 |
研究開始時の研究の概要 |
投票者を無限に増やせば多数決が正しい決定をする確率が1に収束するというコンドルセの陪審定理が18世紀に証明されて以来、多数決の効率性について多くの議論がなされてきた。本研究は「ひっかけ問題」の可能性を導入することで通常の多数決のもとではコンドルセ陪審定理の逆、つまり正しい決定をする確率が0に近くなる可能性、逆陪審定理を提示する。 さらに、逆陪審定理が成り立つ状況・成り立たない状況を詳細に分析し、逆陪審定理の成立をを避けるような投票メカニズムを考案する。
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研究成果の概要 |
正解・不正解がある問題を考える。もし選択肢が「二択」で、人々が「独立に」正解に関する情報を受け取っており、人々が無限人いれば多数決が間違える確率は 0 に収束することが知られている。 本研究では次の環境を導入した。問題は二択であるが、「素直な問題」か「ひっかけ問題」の可能性がある。素直な問題では人々が受け取る情報の正確さは1/2 を超え、ひっかけ問題では情報の正確さは 1/2 を下回る。 この設定の下、多数決が間違える確率が1に収束しうることを示した。更に情報伝達や逐次的決定問題に応用し、利害対立が存在しない環境においても非効率な意思決定が起きることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の主な貢献はひっかけ問題の可能性を導入することで、通常問題が起きないと考えられている人々に利害の対立がない環境においても非効率な意思決定が発生しうることを示したことである。こういった環境は利益追求を目的とする企業における会議や医療の現場において存在しうる。こういった環境においてさえも意思決定や情報伝達に問題が発生していることが知られている。本研究の意義はこういった現象に説明と解決策を与えるという意義がある。
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