研究課題/領域番号 |
19K13646
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
大木 一慶 金沢大学, 経済学経営学系, 講師 (90803445)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 経済成長理論 / R&D / イノベーション / マクロ経済学 / 破壊的イノベーション / 持続的イノベーション / 企業の異質性 / R&D(イノベーション) / 内政成長モデル / 研究補助政策 / 特許保護政策 / R&D / 経済成長 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では『イノベーション活動の主要な担い手は大企業、中小企業のどちらだろうか?』という命題に対して、『破壊的(Disruptive)イノベーションは中小企業が、持続的(Incremental)イノベーションは大企業が大きな担い手となる』という経営学者が提唱する実証研究に着目し、その実証研究と整合的なマクロ経済モデルを構築して、理論的な分析を実施する。いきなり2種類のイノベーションを同時に分析することは難しいので、まず『異質性のある既存企業が破壊的イノベーションのみを行うモデル』と『異質性のある既存企業が持続的イノベーションのみを行うモデル』を個別に構築して分析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究はまず、異質性のある既存企業が破壊的イノベーションを実施するモデルを構築して、既存企業への研究補助、新規企業への研究補助、特許期間延長といった政策がイノベーションや経済成長率に与える影響について分析を行った。本モデルでは、①既存企業の規模と破壊的イノベーションへ誘因が負の相関になる、②既存企業への研究補助が経済成長率を引き下げる場合がある、③総人口と総イノベーションが負の相関になる場合がある、といった基本的なR&Dベースの内生成長理論では導出できないような興味深い結果を得て、DP刊行まで進めることが出来た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で分析した破壊的イノベーションとは、既存製品の価値を大きく損なうようなイノベーションを指し、例としては大型規格から小型規格への移行、アナログ規格からデジタル規格への移行などが挙げられる。こうした事例は過去に限定された特殊事例ではなく、これからも連綿と続いていく可能性が高い。自動車産業を例にとると、全固体リチウムイオン電池の普及は電気自動車の性能面での弱点克服につながり、電気動力に特化した新規企業がガソリン動力を中心とした現在の自動車産業を一変させる可能性を秘めている。よって、マクロ経済学的フレームワークで破壊的イノベーションを詳細に分析することは、学術的にも社会的にも価値があるといえる。
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