研究課題
若手研究
本研究は、A.V.クネーゼを中心とした環境経済学説史の研究である。研究目的は、「環境経済学の父」であるA.V.クネーゼの環境経済理論を再構成し、その全体像を明らかにすることである。また、単なる文献研究にとどまらず、クネーゼがこだわっていた水資源管理やエネルギー問題についての事例研究(フィールドワーク)を行い、クネーゼの環境経済理論が持つ現代的意義を相対化する視点を積極的に組み込んでいく。
本研究の内容は①「環境経済学の父」であるA.V.クネーゼの環境経済理論を再構成すること、および②水資源管理やエネルギー問題についての事例研究(フィールドワーク)を行うことである。①および②に関連して、ドイツのルール地方、およびオランダにて水管理組合のフィールドワーク調査を複数回実施した。ノーベル経済学賞を受賞したオストロムが提唱したコモンズによる環境資源管理のあり方を補足するような論文として、クネーゼが注目したルール地方の水管理組合、またそれらと国際協力を実施し、類似した組織形態および政策手法を実施するオランダの水管理組合の取り組みを位置付ける論文を環境経済学の海外ジャーナル(Ecological Economics)に投稿準備中である。また、2023年3月に、実施した、フィンランド・ロヴィーサにおける原子力および地域政策について、共著論文「もう一つの原子力の町,ロヴィーサ : フィンランドにおける核のごみ処分問題の多面的理解に向けて」が『環境と公害』に掲載された。放射性廃棄物処分については、今年度も継続し、スウェーデンのエストハンマルにてフィールドワークを実施する予定である。
3: やや遅れている
2021年度、2022年度にかけて、コロナ禍の影響で、当初予定していた海外・国内調査を実施することができなかったため。また、思想史研究については、資料の整理、分析が遅れているため。
ドイツ、オランダを中心とした水資源管理の調査、フィンランドを中心とした放射性廃棄物処分に関する現地調査を今年度も進めていく。学史・思想史系の論文執筆については引き続き注力し、今年度中に海外ジャーナルに2本投稿できるよう、作業を進めていく。
すべて 2023 2022 2021 2020
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (3件)
環境と公害
巻: 53(1) ページ: 57-62
ドイツ研究
巻: 56 ページ: 61-66
巻: 51 ページ: 56-62
40022736260
巻: 51 ページ: 52-55
巻: -
社会と統計
巻: 7 ページ: 13-22
40022502882