研究課題/領域番号 |
19K13683
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
金 志映 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (00760779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | Two-stage CES aggregator / フィーンストラ法 / 操作変数法(IV)アプローチ / Feenstra法 / 操作変数法 / CES型多要素集計関数 / 生産関数 / 双対アプローチ / 代替弾力性 / 多地域多部門多要素の動学的一般均衡モデル / ICTイノベーション / 接続産業連関表 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,生産関数や効用関数等の実証モデルとして標準的な一次同次CES型多要素集計関数について,その双対関数から導かれるモデルの定式化に基づき,回帰式の係数から代替弾力性を,定数項から集計量を推定する方法を開発する。従来の一階条件に基づく定式化に比べ,双対関数に基づく定式化は,サンプルサイズを確保しやすい横断面方向の自由度が利用できるため,短期的で多要素の実証モデルの推定に適しているといえる。本研究は双対アプローチの特徴を利用し,多要素による多部門の費用関数,代表消費者の間接効用関数,輸入財の集計関数などの推定を行い,実証的な双対関数系による多地域多部門多要素の動学的一般均衡モデルを構築する。
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研究実績の概要 |
本研究では昨年度の原稿をベースに修正を加えて、ディスカッションペーパーとして公開し、査読付きジャーナルに投稿した。研究のテーマは、異なる国からの商品間の代替の弾力性の測定することであり、日本の産業連関表のデータを用いた。分析対象は昨年度と同様に食肉輸入に焦点を当てた。 貿易自由化体制の福祉への影響を研究するためには、一般均衡モデルが標準的な分析ツールとして使われており、本モデルの輸入需要モジュールは通常、アーミントン弾力性によって構成される。ただし、回帰推定における潜在的な内生性の問題があるため、それを解決するために、操作変数法(IV)アプローチやフィーンストラ法の二種類のアプローチを採用して、アーミントン弾力性を計測した。幸い、本研究で試みた二種類のアプローチは、非常によく似た結果が得られたため、その結果を原稿としてまとめた。 本研究での成果をベースに、今後は分析対象を他の業種の商品に広げる上、他の国のデータとリンクさせたモデルへの拡張も視野に入れている。産業連関表というデータの特性のメリットを最大限に利用し、より多様な商品の弾力性を、より正確に測る方法を開発する予定である。構築されたモデルや開発された分析方法は、今後、TPP、RCEP、および多数の二国間FTAなどの国際貿易モデルにおける関税撤廃や関税率引き下げなどの政策の効果のシミュレーションや政策評価にも有効に使用されることと期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症による活動の自粛や、ジャーナルに投稿した原稿の査読に1年以上かかっている状況のため、予想よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
査読の結果が出次第、修正するなど掲載のための推敲を行う予定である。 なお、本研究の分析結果を生かして、分析対象の商品の範囲を変え、他分野の分析に応用する予定である。
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