研究課題/領域番号 |
19K13685
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高島 伸幸 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (20761331)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 国際環境協定 / ゲーム理論 / 気候変動問題 / 汚染削減技術 / 貨幣移転 / 技術移転 / 繰り返しゲーム / 発展途上国 / 地球温暖化 / 先進国 / 地球環境問題 / 戦略 |
研究開始時の研究の概要 |
地球温暖化防止に向けて,全ての国が協力して温室効果ガスの排出削減を長期的に実施していくことが必要不可欠である.本研究課題の目的は,長期的な国際環境協定の有効性について,主に繰り返しゲームの枠組みを用いて理論的な知見を得ることである. 繰り返しゲームの枠組みで,発展途上国を含む全ての国による加盟を長期的に維持する方法や,協定からの逸脱に対する従来の罰則規定を見直し,より現実適用性の高い逸脱防止方法を模索する.さらにこれらを複合的に解決する方法についても模索し,各国の協力関係を長期的に維持する協定の制度設計に関する理論研究の蓄積を行う.
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研究成果の概要 |
本研究では,国際環境協定の長期的維持に向けた制度について,協定ルールの現実への適用性にも着目しながら設計し,ゲーム理論を用いて,その成立条件等を明らかにした. 発展途上国を含むすべての国々による加盟を長期的に維持する協定ルールや,技術改善・普及を協定ルールに組み込むことにより,多くの国による加盟だけでなく,国ごとの温室効果ガス排出削減量の増加も実現する協定の分析およびその成立条件を導出した.また,これらの協定では,協定からの逸脱に対する罰則規定において,従来よりも軽減されたものあるいは従来とは異なるものとなっており,現実の国際社会で受け入れられ易い協定ルールとなっていると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,発展途上国を含むすべての国々を協定へ加盟させ,それを長期的に維持するための制度や,削減技術の改善および普及を取り入れた協定に関しての研究蓄積を行った. 発展途上国を含むすべての国々が長いスパンで削減目標を掲げ,その達成に向けて努力する必要がある中で,2017年にアメリカが一度離脱を表明するなど安定性に欠けているという問題があることから,本研究は,その解決に向けた1つの指針を示したという意味で社会的な意義を有している.また,現実の国際社会で受け入れられ易い協定ルール(主に懲罰に関するルール)の提案という意味で,今後の国際環境協定の研究の新たな方向性を示すことができた.
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