研究課題/領域番号 |
19K13693
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 隼人 大阪大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (30837703)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 貿易利益 / 貿易費用 / 多国籍企業 / 移転価格 / 技術的スピルオーバー / 環境政策 / 国際法人課税 / 摩擦的労働市場 / 海外直接投資 / 国際貿易 / 比較優位 / 輸送費 / 利潤移転 / 企業集積 / 産業連関 / グローバルバリューチェーン / スピルオーバー / 環境汚染 / グローバル・バリューチェーン / 政策協調 / 課税回避 / 金融市場の不完全性 / 反実仮想分析 |
研究開始時の研究の概要 |
国々は貿易を行うことで、相対的に安価に生産できる財へ特化し、経済厚生(実質所得)を改善させる。 近年、この「 比較優位原理にもとづく貿易利益」を、定量的にとらえる試みが盛んだが、比較優位そのものの原因については十分な考察が行われていない。本研究課題は、 各国の比較優位の源泉の一つとして金融市場の不完全性に注目し、 これが貿易利益に与える影響を定性的・定量的に明らかにすることを目指す。金融市場の不完全性の有無により貿易利益が増幅・減衰するかを定性的・定量的に明らかにする。モデルに基づいてシミュレーションを行い、現実の貿易政策に対する含意をえる。
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研究成果の概要 |
本研究では以下の4つの課題に取り組んだ。(1)海外直接投資が国内労働市場に与える影響。(2)比較優位に基づく貿易理論モデルを用いた環境政策の分析。(3)海外直接投資受入れが地元企業にもたらす技術スピルオーバーの分析。(4)移転価格操作のできる多国籍企業の立地行動の分析。すべての研究で一貫しているのは、貿易費用の低下がもたらす貿易・投資の拡大が重要な役割を果たしている点である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
4つの研究課題は論文としてまとめられ、国際学術誌に公刊された。特に(3)の研究は、これまで別々のものと考えられていた多国籍企業の利潤移転行動と立地行動の関連を突き止めた点で意義が大きい。企業内の中間財取引にかかる移転価格が現地での最終財の販売価格に影響することにより、現地子会社の直面している競合他社との価格競争にも影響を与える。多国籍企業はこの価格競争を有利なものにするように子会社の立地を選択する。貿易費用が低く企業内取引=利潤移転が活発な場合には、常識に反して税率の高い国に製造業子会社が集中することがわかった。低い法人税率が必ずしも製造業拠点の集積を促すものではないという新しい視点である。
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