研究課題/領域番号 |
19K13697
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 成城大学 (2020-2022) 早稲田大学 (2019) |
研究代表者 |
定行 泰甫 成城大学, 経済学部, 准教授 (90800920)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ヘドニック / 空き家 / 事故物件 / 外部性 / 発生要因 / アクセシビリティ / 地理情報 |
研究開始時の研究の概要 |
ビッグデータ化や情報公開法改定により地理・不動産情報の利用環境が飛躍的に向上した。空き家調査や不動産取引の個票データは近年入手可能となった一例である。こうした研究環境の変化は、空き家の外部性分析を含め、様々な地域・都市問題に関する実証研究の可能性を大いに広めるものである。 本研究では、地理的に密集し点在するアメニティの空間的影響を検証するための分析手法を提案し、日本の住宅市場に関わる重要な研究テーマに応用することで、政策提言を試みる。
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研究成果の概要 |
本課題では、様々な地域・都市問題の解決に寄与するための、詳細な地理・不動産情報を生かした政策評価のための分析手法を模索しつつ、主に事故物件と空き家を対象として分析を進めた。クロスセクションデータによる分析ではあるが、事故物件と空き家の両方で負の外部性が確認された。東京都豊島区を対象として実施した空き家の研究においては、とくに状態の悪いものを1軒除去することで年間100万円程度の固定資産税の増額が見込めることが試算された。また、空き家の発生・利活用の分析を実施したところ、既存不適格の住宅所有者の留保価格が比較的高く、結果としてそれらの住宅が空き家として放置されている傾向があることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
孤独死や空き家問題への対策には多大な公的資金や人的資源を要するため、科学的根拠に基づいて費用対効果の高い政策を検討することが重要である。本研究は、事故物件や空き家などの発生要因や外部不経済を定量的に評価することで、エビデンスベースに基づいた効率的な対策を吟味するための有用な基礎材料を提供しようとするものである。例えば、空き家の外部不経済に関する研究では、状態の悪い空き家を除去することで年間100万円ほどの固定資産税の増収が見込まれることが推計された。また、空き家が放置される要因については、再活用に係る条件の違いが空き家所有者の留保価格と市場価格に乖離を生じさせていることを明らかにした。
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