研究課題/領域番号 |
19K13699
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
金澤 伸幸 創価大学, 経済学部, 准教授 (20810914)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 政府系金融機関 / 住宅 / 中小企業 / マクロ経済政策 / 金融政策 / マクロ経済学 / 時系列分析 / 住宅投資 / 金融市場 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は政府系金融機関の活動が一国経済へ与える因果的影響の推計である。本研究では1)個人向け住宅ローンを融資する住宅金融支援機構、2)中小企業への融資を目的とした日本政策金融公庫と商工中金、の2タイプの機関を分析対象とし、1970年から2007年までの期間で彼らが住宅ローン貸出・中小企業向け貸出を増加させた時、住宅市場、中小企業活動、マクロ経済にどのような影響を与えたかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、政府系金融機関の政策変更が短期的なマクロ経済に与える影響を明らかにすることである。住宅金融支援機構など政府系金融機関の活動が与える短期的なマクロ経済効果を推計するにあたり、貸出方針が短期的な経済的理由とは異なる理由(政治的な理由や長期的な政策目標などによる方針転換)によって変化した「ショック」を抽出する必要がある。この手法はNarrative Approachと呼ばれ、ショック抽出の基準が研究者の恣意的な思惑に影響されないよう、ショックの選定基準が客観的に明確であることが求められる。そのため、貸出方針変更の理由・動機に基づくショックの抽出基準の透明化と、各方針変更理由の背景・動機の詳細な文章化および分類が重要である。また、これらのショックのマクロ経済効果の測定が本研究の目的であるため、各ショックはマクロ経済に影響を与える程度に大きな規模である必要がある。
2021年度・2022年度に引き続き、2023年度も抽出基準の透明化と詳細な分類に注力した。2022年度は画像認識ツールと生成系AIを活用し、資料の読み込みから情報の抽出・整理までを自動化し、効率的に資料の整理を進める試みに取り組んだが、クリーンな抽出には至らず、2023年度では人の目による抽出に切り替えた。2023年度末の時点では、ショックの抽出とその分類は完了し、分析に使うマクロ経済変数データの整備も終了している。2024年には予備的な分析を行った後、効果の経路などに関する詳細な分析を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の進捗が当初の計画に比べて遅れている主な理由は、研究開始直後に新型コロナウイルスの感染拡大が発生し、その対応のために生じた遅れを取り戻せていないことに起因する。また、作業の一部を生成系AI等により自動化しようと試みたが、結果としてうまく機能せず、回り道となってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
上記の通り、住宅金融支援機構に関してはデータの整備が一段落しているが、国民金融公庫、中小企業金融公庫、および商工中金に関しては、貸出方針に影響を与えた出来事の抽出、リスト化、そしてそれらの出来事の背景の詳細なドキュメント化を迅速に進めていく必要がある。また、住宅金融支援機構については、早期に分析を行い、論文として公表できるよう研究を進めていく予定である。
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