研究課題/領域番号 |
19K13706
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 京都経済短期大学 (2020-2021) 大阪成蹊大学 (2019) |
研究代表者 |
濱口 喜広 京都経済短期大学, 経営情報学科, 講師 (10804114)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 持続可能な観光 / 観光主導型成長仮説 / 貿易と環境 / 汚染逃避地仮説 / 排出権取引 / 環境脱税 / 国境税調整 / 環境政策の成長促進効果 / 譲渡可能個別漁獲割当制度 / レントシーキング / 不平等 / 産業間排出権取引 / 持続可能な開発目標 / 社会的地位選好 / 経済成長 / 出入国税 / 二重規制 / 汚職 / 内生的経済成長論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は、環境経済学、新経済地理学、産業組織論の分析アプローチを活用することで、イノベーションを通じて、持続可能な観光を実現する環境政策を提示することにある。今後平均して約4%ずつ成長すると見込まれている観光産業は、航空輸送を通じて、二酸化炭素集約的産業になると予測されている。観光産業に導入されている環境税やカーボン・オフセットの温室効果ガス削減効果は限定的である上、有効な政策手段である排出権取引は未だ導入段階にある。その為、この環境政策が、持続可能な観光の実現につながるのか否かを、事例・実証研究で分析することは困難な状況にある。本研究課題は、この点に応えるものである。
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研究成果の概要 |
航空機による温室効果ガスの排出により、観光産業が二酸化炭素集約的産業になると懸念されている。その為、航空産業に対して排出権取引の導入が進んでいる。しかし、研究開始時点では導入段階にあり、その環境政策が観光産業に与える影響については明らかではなかった。本研究課題は、その影響の理論的解明を目指した。分析の結果、観光客の国際移動を考慮した場合、排出枠引下げが持続可能な観光と観光主導型成長をもたらすことを発見した。しかし、航空機による観光客移動を考慮した場合、持続可能な観光と観光主導型成長はトレードオフの関係にあることが分かった。更に、幾つかの関連研究により、持続可能な発展のメカニズムを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能性社会の実現に向け、観光産業は更なる取り組みが求められている。なぜなら、観光移動に必要な航空機は大量の温室効果ガスを排出するからである。航空産業の脱炭素化を促す為、EU諸国は航空産業に対して排出権取引を導入している。しかし、最近の導入であることから事例やデータが不足している為、この環境政策が観光産業に与える影響は明らかではない。本研究課題は、理論分析の強みを生かし、この環境政策の効果を明らかにした。この知見は、持続可能な観光を目指す上で必要な対策は何かを議論することに加え、この環境政策の制度を改善する際にも活用できる。以上より、持続可能な観光に関する理論的基礎を社会に提供したと言える。
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