研究課題/領域番号 |
19K13708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
朝日 亮太 九州産業大学, 商学部, 准教授 (10712359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 低費用航空会社 / アライアンス / 暗黙の共謀 / 提携 / アメリカン / ジェットブルー / 空港支配 / 競争 |
研究開始時の研究の概要 |
これまでの多くの研究が、低費用航空会社(LCC)は、競争的運賃を設定し、航空産業の競争を活性化してきたとの結果を示してきた。一方で、近年はLCCと他の航空会社との提携も見られるようになってきた。しかしながら、提携は、航空会社に非競争的行動をとらせる可能性も指摘されており、LCCの提携は航空産業全体の競争を弱める恐れがある。こうしたなか、LCCの提携について、実証的に分析した研究はこれまでほとんど行われていない。本研究では、LCCと他の航空会社などとの提携に注目し、これまで航空産業を競争的にしてきたとされるLCCの関係する提携が航空産業に与える影響について、データを用いた実証的分析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、LCCと提携相手の提携前後の運賃設定行動の変化とLCCおよびその提携相手と競合するFSCとLCCの提携締結前後の運賃設定行動の変化について分析を行うことであった。分析の結果、第一に、LCCとの提携により提携相手のFSCは市場支配力を強化することができない可能性、LCCとFSCの提携に対し、ライバルであるFSCが競争的行動を弱める可能性を示した。第二に、LCC同士の提携が競争を弱めることを示した。そして、提携を通じてマルチマーケットコンタクト(複数の路線で、同じ航空会社同士が運航している状態)から生じる運賃上昇効果が高まることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義については、第一に十分に行われていなかったLCCの関係する提携について分析をした点である。第二に、今後の航空産業の競争政策を考えるにあたり一定の示唆を与えたことである。新型コロナウイルス感染症の拡大は航空産業に大きな損失を与えた。こうした状況から、今後、航空会社は提携を通じ、経営をより効率化する可能性がある。また、大都市を結ばない地方路線の維持のために航空会社間の提携が進められる可能性もある。提携や合併は航空会社や地域の持続可能性を高める一方で、競争を弱め、利用者がさらなる負担を求められることも考えられる。そのため、本研究の成果は規制当局が提携の可否を判断する際の材料となりえる。
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