研究課題/領域番号 |
19K13718
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 青山学院大学 (2020-2023) 一橋大学 (2019) |
研究代表者 |
岡部 智人 青山学院大学, 国際政治経済学部, 准教授 (50768364)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 投票行動 / 経済成長 / 政治経済 / 内戦 / 民主主義 / 政治経済学 / 投票と政策 / 投票率 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の政治経済学では、選挙における有権者の投票が政策にどのように反映されるのかについて、数理モデル(投票ゲーム)を用いた理論研究が進んできた。しかし、近年になって、その数理モデルの現実的有効性については疑義が提起されている。そこで、本研究では、有権者の投票行動と為政者によって実行される政策との関係について、行動学的投票理論に基づきながら、実証的に検討する。具体的には、西欧とアフリカの政治・経済データを用いて、統計学的な分析を行っていく。本研究による実証的アプローチにより、投票行動と政策を巡る政治経済的含意を明らかにすることで、関連する経済学、政治学、地域研究の各分野に知見を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究は政策への民意の反映メカニズムを解明することを目的とするものである。ライフサイクル仮説の検証では、英国の長期パネル調査のデータを使って、結婚や家族形成等のライフイベントが投票率に有意な影響を与えることを確認した。特に、結婚、子供、定住性、持ち家の4つの要素が投票の誘因として重要である。アフリカの政治経済モデルの開発では、民主主義の度合いと経済成長のメカニズムを明らかにし、内戦の収束と経済成長の進展の鍵となる要素を特定した。そして、長期内戦を経験したことのある国々をシミュレーションし、平和状態が実現した場合、経済厚生が30~80%、経済成長率が2~8倍程度改善することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、民主主義と経済パフォーマンスとの関係についての理解を深めるという学術的意義がある。ライフサイクル仮説の検証では、投票行動の誘因としてのライフイベントの重要性を示し、政治経済学の実証的な知見の提供に貢献した。アフリカの政治経済モデルの提案では、今まであまり明らかにされてこなかった内戦と経済成長の同時決定メカニズムを示し、紛争解決や経済政策の設計に役立つ具体的な知見を提供した。これらの知見によって、本研究は有権者の政治参加促進、平和構築および経済発展に向けた政策立案に貢献し、現代社会の課題解決に寄与するものである。
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