研究課題/領域番号 |
19K13740
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
雨宮 祐樹 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 准教授 (70759349)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 転換社債 / 金融契約 / 情報の経済学 / 情報の非対称性 / 企業金融 |
研究開始時の研究の概要 |
転換社債の役割に関するこれまでの仮説は,その妥当性についてデータによる検証が不十分であった.その原因について,理論研究の蓄積の不足が指摘されている.本研究では,これまで別々の仮説において着目されていた,金融市場の非効率性と企業内部の非効率性という2種類の問題を考慮した理論モデルを構築し,①転換社債の役割に関する新しい仮説の提示,②データを用いた実証において有用な含意の導出,および③実務における転換社債の利用や関連する制度設計において有用な含意の提示,の3つの課題に取り組む.
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研究成果の概要 |
本研究は,企業の融資契約における転換社債の役割,および転換社債が用いられる際の融資契約のあり方に関する経済分析を課題としている.本研究によって,主に以下のような成果を得ている.一つ目として,スタートアップ企業などにみられる,企業に必要な初期資産が少ない場合において,転換社債が有用であることを示した.二つ目として,経営者による過剰なリスクテイクが危惧される場合において,転換社債の利用がこれを軽減する可能性があることを示した.また,関連して,市場規模に不確実性を伴う寡占市場における,企業の競争戦略に関する分析を実施した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究による成果によって,転換社債がどのような場合に有用であるかという問いに答えるための新しい理論的根拠を提示できることに加え,実証研究の方針策定に有用な含意を得ることで,企業の資金調達や証券取引に関する経済学的研究の発展に貢献できるものと考えられる.加えて,関連する実務や政策を検討するうえでの検討材料として応用されることで,企業活動や金融市場の改善を促す提案が可能になる点で,社会的意義があると考えられる.
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