研究実績の概要 |
本研究の目的は,一般化最小二乗法(Generalized Least Squares; GLS)に基づいた多変量状態空間モデルを構築し,様々なマルチファクターモデルに適用することで,国際株式市場におけるアノマリーの時変構造について解明することである.今年度は,前年度までに実施したFama and French(1993, 2015, 2018, Journal of Financial Economics)の3/5/6ファクターモデルおよびRoss(1976, Journal Economic Theory)の裁定価格理論の通時的有効性に関するファクター選択を行うためのプログラム実装を行った.具体的には, Gibbons, Ross, and Shanken (1989, Econometrica) のGRS検定統計量の過剰棄却問題を解消するためにKamstra and Shi (2023) によって提案された一般化GRS検定を用いて分析を行うことで,これまでの先行研究では考慮されてこなかったファクターの通時的有効性について一定の結論を得た.
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