研究課題/領域番号 |
19K13747
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
野田 顕彦 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (80610112)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 計量ファイナンス / 時系列解析 / 状態空間モデル / 一般化最小2乗法 / マルチファクターモデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,一般化最小2乗法に基づいた時変多変量回帰モデルを構築し,Fama-French (1993, 2015) で提案された2つのマルチファクターモデルに適用することで,国際株式市場における様々なアノマリーの時変構造を解明することである.さらに,様々なアノマリーの時変構造が生じる原因を投機的バブルとの関連性から検証する.様々なアノマリーの存否に通時的な変動が生じる原因を投機的バブルとの関係から明らかにすることによって,より正確に株式の期待収益率(資本コスト)を計測するためのモデルを新たに構築するための素地となることが期待される.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,一般化最小二乗法(Generalized Least Squares; GLS)に基づいた時変多変量回帰モデルを構築し,Fama and French (1993, 2015, Journal of Financial Economics) で提案された2つのマルチファクターモデルに適用することで,国際株式市場における様々なアノマリーの時変構造について解明することである.今年度は,前年度までに構築したGLS推定量に基づいた時変多変量回帰モデルおよび,Kenneth R. French教授(ダートマス大学)のホームページから取得・整理した日米のデータを用いて,Fama and French (1993, 2015, Journal of Financial Economics) で提案された2つのマルチファクターモデルにおける各パラメータの推定を実施した.推定された時変パラメータについて日米間で国際比較を実施した結果,(1)日米ともに,Fama and French (1993, 2015, Journal of Financial Economics) で提案された2つのマルチファクターモデルの各パラメータは時間を通じて変動している.(2) 残差ブートストラップ法を用いて実施した統計的推論の結果, Fama and French (1993, 2015, Journal of Financial Economics) で提案された2つのマルチファクターモデルの日本における有効性は,米国における有効性と比較して通時的に低い可能性が高い,ということが明らかになった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」でも述べたように,実証的な側面からは,前年度までに構築したGLS推定量に基づいた時変多変量回帰モデルおよび,Kenneth R. French教授(ダートマス大学)のホームページから取得・整理した日米のデータを用いて,Fama and French (1993, 2015, Journal of Financial Economics) で提案された2つのマルチファクターモデルにおける各パラメータの推定を実施した.また,本研究課題の目的である,国際株式市場における様々なアノマリーの時変構造を解明するための端緒となる国際比較については終えることができた.以上2点の基礎的作業を完了できた点からも,現在までの達成度は概ね良好であると判断している.
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」でも述べたように,今年度に行った本研究課題における端緒となる実証分析の結果を踏まえ,より精緻な分析を実施してそれらの解釈を実施する.また,今年度までに行った研究成果については,国内外の学会や研究会において報告を行う.そして,得られたコメントに基づき論文改訂を行ったのちに,国際学術雑誌に投稿する予定である.
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