研究課題/領域番号 |
19K13748
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07060:金融およびファイナンス関連
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研究機関 | 同志社大学 (2020-2021) 愛知学院大学 (2019) |
研究代表者 |
野島 栄莉子 (内木栄莉子) 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50780350)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 金融機関 / 健全性 / 新規開業企業 / 資金調達 / 銀行借入 / 金融機関の健全性 / 貸出行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、日本の地域銀行の経営再編の効果について検証する。具体的には、地域銀行の経営再編が、再編を行った銀行が貸出を実行している中小企業に与える影響について明らかにすることを目的とした実証分析を行う。このような分析により、近年、再編が活発化している地域銀行の経営や、地域銀行の主要な取引先である地元中小企業を中心とした地域経済の活性化に向けた知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の主要な研究成果は、(1)金融機関の健全性が新規開業企業向け貸出に与える影響と(2)人的資本が新規開業企業の資金調達に与える影響について検証したことである。第一に、2008年の金融危機に焦点を当てた実証分析を行った結果、健全性の高い金融機関は2008年の金融危機時には新規開業企業への貸出に消極的であったことが明らかになった。第二に、起業家を「必要に迫られて起業した起業家」と「事業機会を追求するために起業した起業家」とに分類した分析を行った結果、高い水準の人的資本を持つ前者の起業家は、低い水準の人的資本しか持たない後者の起業家よりも資金調達の問題を持ちにくいことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
金融機関の健全性が新規開業企業向け貸出に与える影響に関する研究では、貸出を決定する要因のうち、企業側の要因を除くことによって金融機関側の要因のみを抽出しているという点で先行研究の課題を克服している。また、人的資本が新規開業企業の資金調達に与える影響に関する研究では、先行研究では別々に分析されていた起業の動機と新規開業企業の資金調達を同時に考慮しながら検証している。さらに、両者の分析はともに、すべての企業のなかでも最も資金需要が高いにもかかわらず深刻な資金制約に直面している新規開業企業の資金調達を容易にするための知見を得ることができるという点で社会的意義がある。
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