研究課題/領域番号 |
19K13762
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 立教大学 (2021-2023) 立命館大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
西崎 純代 立教大学, 経済学部, 特任教授 (30802110)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 戦後復興 / 移行経済 / 労働市場 / 広島 / 沖縄 / 原子爆弾 / 経済復興 / 原爆 / 経済成長 / 戦災 / 経済史 / 経済 / 統計 |
研究開始時の研究の概要 |
原子爆弾で壊滅的な被害を被った広島市は、第二次世界大戦後、経済復興を果たした。しかし、広島市の経済復興のプロセスは、驚くほど知られていない。本研究は1945年から1965年までの経済統計の分析を通し、(1)復興はどの分野から始まり 、(2) 何が復興を牽引したのか 、(3) 経済復興の推進力は、時とともに、どのように変化したのかを明らかにする。上記(2)と(3)に関しては、ヨーロッパの第二次世界大戦後の経済復興研究の手法を取り入れ、①設備投資の役割、②人々の教育水準、③政策の実効性、④技術導入の効果など、復興を牽引したと考えられる諸要因を分析し、広島の経済復興を世界経済史の視点からとらえ直す。
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研究成果の概要 |
広島市の戦後経済復興は重工業が牽引したと言われるが、この過程の詳細は明らかではなかった。本研究では食料品、雑貨類などの軽工業に牽引されて復興が進み、その間に造船や自動車工業が体制を整え、経済の重点が重工業に移る過程を明らかにした。研究期間中、沖縄県との比較研究を行い、広島市の復興を特徴づけた経済基盤、設備投資、技術導入、政策の検討を行った。その中で、広島の縫い針製造など、地元産業の設備投資や技術導入、海外市場への果敢な参入過程も浮き彫りにした。研究成果は論文・学会発表の形で行った。現在、American Historical Association年次総会(2025年)に向けて準備中である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
広島市は長崎市とともに、初めて原爆が投下された都市であり、「科学技術の使用はどこまで許されるのか」という議論を提起してきた。一方、経済的視点からの復興研究の蓄積は少なかった。本研究では行政史・経済統計、社史、個人史等の分析により、復興過程の検証を行った。広島市経済は、戦後約十年間は食料品、雑貨、縫い針製造などの軽工業が牽引し、その後、1950年代に重工業へ重心が徐々に移行したことを明らかにした。本研究はこれまで政治学・社会学的に捉えられることが多かった広島市の復興研究に、マクロ・ミクロレベルの経済的視点を取り入れることで、復興プロセスの解明に厚みを与え、進展させた。
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