研究課題/領域番号 |
19K13780
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
長谷部 弘道 杏林大学, 総合政策学部, 准教授 (40781282)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 経営者教育 / 企業内訓練 / 企業内教育 / 日立製作所 / 三菱電機 / 総合電機企業 / タレントマネジメント / 人的資本 / 経営史 / 職能資格制度 / OJT / OFF-JT |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本企業の幹部候補生に対する実務教育について、企業の元幹部への集中的な聞き取り調査を実施し、OJTの内側で実践されてきた、実務教育の実態とその変遷を明らかにする。近年、世界中の企業でグローバルリーダーの育成という課題に関心が集まっているが、日本企業内部では実際、どのような経営者教育が行われきたのだろうか。先行研究では「OJTを中心とする教育訓練と内部昇進競争」という点から説明が試みられてきたが、OJTが実際に幹部候補生にどんな実務能力を付与してきたのかは不明点が多い。そこで本研究では、日本企業がOJTの内側で実際にいかなる実務的能力を付与してきたのかを、歴史的射程から検証する。
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研究実績の概要 |
令和4年度は、『日立製作所と三菱電機における幹部候補生教育の比較』というサブテーマを掲げ、(1)日立製作所と三菱電機の幹部候補生教育の比較、(2)海外学会での成果報告と次期プロジェクトに向けた研究基盤形成、(3)三菱電機元幹部への追加インタビューの実施(スノーボールサンプリング方式)、そして(4)資料の分析を行い、4年間の成果を出版物としてまとめることを、研究プロジェクトの締めくくりとして、当初想定していた。 コロナの状況が徐々に改善してきたことから、昨年度研究進捗を著しく遅らせることとなった三菱電機における関係者へのインタビューをはじめ、前年度に実施予定であった三菱電機に関する調査と分析、および日立製作所に関する追加の資料調査などについて活動を再開することができ、結果的にこれが本年の活動の中心となった。特に、三菱電機における関係者へのインタビューや、日立製作所に関して、本研究から派生したテーマである「企業内消防団」に関する資料の追加収集を行った。 このため、昨年度には得られなかった多数の資料入手が実現し、これらの膨大なデジタルデータの整理および分析に、多くの時間を割く形となり、成果物の執筆に十分な時間をかけることができず、結果的に上述の当初計画のうちの(2)および(4)については、実施を一年先送りにせざるを得なくなった。他方、成果の一環として経営史学会西日本部会にて報告を行うなど(2022年12月)、アウトプットは継続して行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度に実施したインタビュー調査および資料調査を通じて、懸案であった三菱電機の経営者教育に関する事実関係を把握することができた。しかしながら、これまでの調査研究活動の総括として最終年度に位置付けられていた4つの目標のうち、(2)海外学会での成果報告と次期プロジェクトに向けた研究基盤形成、および(4)成果の出版については実現できなかった。このため、当初の計画に照らし合わせれば、現在の進捗状況は、「(3)やや遅れている。」と判断せざるをえない。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度中に進めることができなかった(2)海外学会での成果報告と次期プロジェクトに向けた研究基盤形成、および(4)成果の出版については、現在海外学会への応募と、ジャーナルへの投稿論文の準備、およびそれらを取りまとめた出版物の企画という3点からの取り組みを検討している。より具体的には、令和5年度は、基本的に令和4年度に達成できなかった、これまでに収集した資料の読み込みと整理、追加のインタビュー調査を行いながら、2社の幹部候補生教育の比較を中心に、論文執筆および海外発表のための準備に取り組む。
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