研究課題/領域番号 |
19K13782
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2021-2022) 明治学院大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
岩尾 俊兵 慶應義塾大学, 商学部(三田), 准教授 (50823895)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | イノベーション / 組織形態 / 人工社会実験 / 知識創造 / 資源とアイデアの滞留 / コンピュータ・シミュレーション / 組織構造 / 組織設計 / サプライヤーシステム / カイゼン / シェアリングエコノミー / 災害復旧 / 改善活動 / 両利きの経営 / 組織デザイン / 経営組織論 / ダイナミック・ケイパビリティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、イノベーションが発生しやすい企業には一種の「形」があるのではないか?という視点からの研究である。そこでは、一見すると差異がないかに見える企業であっても「組織の形と広さ」という新しい概念から再分類された場合には、そこに大きな差がみてとれる可能性が考察される。その上で、イノベーションの発生頻度が高い企業の特性について、仮想実験・実験室実験・社会実験により、その因果プロセスを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、組織の形が組織構成員同士の繋がりやすさに影響するという発見があった。筆者はこの「組織構成員同士の繋がりやすさ」のことを「組織の広さ」と表現した。そして、組織の形が組織の広さに影響し、組織の広さがイノベーションの発生に影響することが分かった。具体的には、組織の中でアイデアと資源が別々の場所に滞留すると、イノベーションが起こりづらくなることが判明した。つまり、アイデアと資源をそれぞれ豊富に持っている組織であっても、イノベーションを起こせるとは限らないのである。この発見から派生した研究を、筆者は、国際学術誌と国内学術誌と商業誌と書籍において、広く社会に公開した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、イノベーションの阻害要因を、アイデアの欠如に求めたり、資源不足に求めたりする言説が流行していた。しかし、本研究によって、こうした言説が大きな間違いを抱えている可能性が分かった。すなわち、実際には、アイデアも資源も十分すぎるほど存在しており、それら2つが出会わないことこそが問題となる場合が発見されたのである。このことは、近年、イノベーションの必要性が叫ばれる中で、企業のイノベーション・マネジメントだけでなく政府のイノベーション政策に対しても再考を求めるという意味で社会的意義があるといえる。また、学術的にもこうした発見は、これまでなされてきていなかった。
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