研究課題/領域番号 |
19K13792
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
松尾 健治 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (60805175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | レトリカル・ヒストリー / 失敗 / 経営者 / 意思決定 / 歴史 / 事例研究 / 文脈 / ストレッチ・ゴール / スティグマ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、組織におけるレトリカル・ヒストリー(以下、RH)が失敗する場合、なぜどのように失敗するのかを明らかにすることである。RHとは、組織の「重要なステークホルダーを管理するための説得戦略として過去を戦略的に用いること」であり、組織変革、経営戦略の正当化、顧客へのアピール、従業員の採用や教育といった場面でしばしば実践されている。既存研究では、こうした場面におけるRHの有効性が示されてきたが、本研究では失敗するメカニズムを明らかにすることによって、歴史の活用において慎重さが必要なことを示し、どのように歴史を活用するべきかという、広く社会的に意義のある示唆を導き出すことが期待できる。
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研究成果の概要 |
レトリカル・ヒストリー(RH)とは、組織の重要なステークホルダーを管理するための説得戦略として過去を戦略的に用いることと定義される。本研究では、研究期間中にRHが失敗するいくつかのメカニズムを明らかにした。主な研究成果としては、『組織衰退のメカニズム:歴史活用がもたらす罠』と題する単著書籍、Academy of ManagementのAnnual Meetingでの発表およびフルペーパーの論文、Journal of Business Researchに掲載された論文などが挙げられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
組織におけるRHは、組織的同一化の促進、組織変革、経営戦略の正当化、顧客からのレピュテーション獲得、従業員の採用活動といった場面でしばしば実践される。だが、既存研究のほとんどは、経営者がRHを実践することで彼らの意図通りにステークホルダーの行動を促すことに成功している事例を取り上げてきた。とはいえ、RHは常に使い手の意図通りに機能するとは限らない。また、実務家もRHが失敗する可能性について考慮することはほとんどない。本研究は、RHが失敗する場合のメカニズムを明らかにし、理論的に貢献するとともに、組織の実務家はどのような状況で、どのように歴史を活用するべきかという実践的含意を導出した。
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