研究課題/領域番号 |
19K13805
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
落合 康裕 静岡県立大学, 経営情報学部, 教授 (70740679)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 創業家 / 正統性 / C区分ファミリービジネス / 株主構成 / 取締役構成 / 上場企業 / 経営承継 / ファミリービジネス / 業績優位性 / 経営者属性 / ガバナンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本の上場企業における創業家の影響力や正統性を明らかにしようとするものである。近年、上場企業で創業家が経営に関与する事案が増えている。創業家経営者が非創業家経営者から経営承継するケースも見られる。先行研究では、ファミリービジネスの影響力の行使の根拠として、株式所有比率の多さが指摘されてきた。しかし、上記の経営現象は、 創業家の株式所有比率が希薄化した上場企業において生じている。なぜ、株式所有を前提としない創業家が経営への関与を維持し、次期経営者として選抜される正統性があるのか。本研究は、上場企業の有価証券報告書のデータの分析や事例研究を交えて研究課題に答えていこうとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究成果は、全上場企業のうち66社の「C区分ファミリービジネス」(所有権を背景としないファミリービジネス)の抽出し、株主構成や株主構成の特徴について明らかにした。先行研究では、ファミリー出身の経営者の説明原理として一族の持株比率が主たる要因とされていた。本研究ではそれ以外の要因(取締役会の中での一族の持ち株比率、一族株主の構成など)が関係している可能性を指摘したことである。近年、ファミリービジネスの国際学会ではファミリービジネスの多様性に関する議論がなされつつあり、本研究はその先鞭をつける研究成果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
通常、企業規模が拡大することに伴い、所有と経営が分離する(バーリ=ミーンズ, 1932)。多角化、国際化、株式公開など規模が拡大すると、創業家一族の影響力は持株比率の減少に伴い低下することが想定される。他方、本研究は、上場してもなお創業家一族から経営者を輩出している企業の存在(C区分ファミリービジネス)の存在を明らかにし、その特徴を考察したことが成果としてあげられる。本研究によって、創業家一族が経営に関与する正統性、創業家一族がもつ理念や無形資産の存在が経営に影響を持つ可能性について考察をすることができた。
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