研究課題/領域番号 |
19K13843
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07090:商学関連
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研究機関 | 熊本学園大学 (2020-2023) 関西学院大学 (2019) |
研究代表者 |
猪股 健太郎 熊本学園大学, 商学部, 准教授 (30750830)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 自伝的記憶 / 経験価値 / 測定尺度 / アイデンティティ / 心理学 |
研究開始時の研究の概要 |
経験価値とは,製品やサービスの物質的・金銭的価値ではなく,その利用や保有といった経験が有する価値であるとされている。本研究では,ある消費経験が有する経験価値の高さを評価する際の尺度を作成することを目的とする。その際,消費した人がその経験をどのような記憶として思い出すか,という観点からの評価も含めることで,ある経験が記憶として保持されることの価値も含めて測定する尺度の構築を目指すものである。
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研究成果の概要 |
本研究は,製品やサービスの物質的・金銭的価値ではなく,その使用や保有といった経験が有する価値である経験価値を評価するための尺度を構築し,その有効性に関して検討を行うことを目的として実施された。その際,価値の高い経験を,個人にとって重要な意味をもつ自伝的記憶として対象化し,心理学における記憶研究の手法を応用した。研究の結果,経験価値の高さは「満足」,「ギフト」,「アイデンティティ」,「審美性」,「親密性」の5つで構成されることが示唆された。また,これらの因子で構成される経験価値尺度の得点は,複数の関連する尺度と概ね仮説通りの相関関係がみられたため,基準関連妥当性が高いことが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で作成された自伝的経験に基づく経験価値尺度は,高い価値を有する経験が,重要な記憶として残る際の要素に焦点を当てて作成された。このことにより,これまでの経験価値に関する議論においてその重要性が指摘されながらも明確な測定対象としてされてこなかった,製品やサービスが顧客のアイデンティティの確立に寄与する程度が測定対象として含まれることとなった。この因子を含む新たな経験価値尺度が作成されたことは,既存のまたは新たな製品・サービスの有する経験価値を再評価することに貢献することが期待され,より価値の高い商材の開発に寄与することが考えられる。
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