研究課題/領域番号 |
19K13849
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 専修大学 (2020-2022) 一橋大学 (2019) |
研究代表者 |
金 鐘勲 専修大学, 商学部, 講師 (10801566)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | IFRS / 国際会計基準 / 任意適用 / 会計実務 / 利益調整行動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、IFRSの任意適用が会計実務に与える影響と利益調整行動との関係、およびその経済的帰結を検証することである。IFRSは、会計情報のグローバルな比較可能性を高めるべく作成された会計基準の世界標準であるが、IFRSを適用するとしても会計情報の比較可能性は必ずしも高まらない可能性がある。会計実務は、その作成者のインセンティブの影響を受けており、作成者のインセンティブが変わらなければ、企業の会計実務も変わらないはずだからである。本研究はこのような問題意識に基づき、IFRSを任意適用する日本企業の会計実務の実態を確認し、利益調整行動との関係、およびその経済的帰結について、実証研究を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、国際会計基準(IFRS)の任意適用が会計実務と利益調整行動に与える影響について、会計情報の価値関連性と格付関連性に与える影響(会計基準の違いに焦点を当てた研究)、利益の質と情報の非対称性に与える影響(会計実務の変化の結果に焦点を当てた研究)という2つの観点から成果を出すことができた。本研究の成果は、国内の学術雑誌に掲載済み(Hitotsubashi Journal of Commerce and Management・53(1))また掲載決定(苗 馨允・金 鐘勲・角ヶ谷 典幸(2023)「IFRSの任意適用は会計情報の価値関連性に影響を与えるのか」会計プログレス・第24号)された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、IFRSを巡って既になされた政策に対する評価、また、今後の会計制度の設定に対して一定の示唆を与えているという点である。近年、IFRSを巡る世界中の機運の高まりを受け、日本政府は日本企業によるIFRSの任意適用を可能としたほか、日本企業へのIFRSの強制適用についても判断が迫られている。本研究で得られたIFRS任意適用の会計実務と利益調整行動に与える影響に関する学術的証拠は、IFRS任意適用の解禁といった日本における近年の会計制度の変化に関する事後的評価を行う上で、また、日本企業に対するIFRSの強制適用の是非に関する議論を行う上で、有益な経験的な証拠の蓄積に貢献するものである。
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