研究課題/領域番号 |
19K13860
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
本川 勝啓 学習院大学, 経済学部, 教授 (90780122)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | サステナビリティ報告 / サステナビリティ情報開示 / 非財務情報 / 財務情報 / マテリアリティ / 統合報告 / サステイナビリティ報告 / 非財務情報開示 / 財務会計 / 公会計 / 情報開示 / 人的資本 / 構造的因果モデル |
研究開始時の研究の概要 |
統合報告の枠組みにおける財務情報と非財務情報の相互関係やその因果的構造を明らかにし、利害関係者にとって有用な企業の情報開示方法を提案することを目的とする。財務情報と非財務情報の相互関係やその因果的構造を明らかにするために現在も発展を続けている統計的な手法を用いた実証研究を実施する。 統合報告の枠組みにおける価値創造プロセスを前提とした人的資本に関する非財務情報と財務情報との相互関係や因果関係を明らかにし、主たる利害関係者である投資家の意思決定に有用な開示となりうる構造化された情報開示についての理論を拡張し、情報開示実務の指針を提供することを目的とする。
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研究実績の概要 |
サステナビリティ情報開示に関する基準設定は大きな変革期を迎えている。日本でもこれまで有価証券報告書上や任意開示の報告書上で実務的にも開示が進められてきた。特に日本の大企業は、サステナビリティ開示のガイドラインや基準づくりに先行して取り組んできた諸国の上場企業と比較しても同等の非財務情報開示を行ってきたと言える。また、こうした先行して取り組んできた国々の中でも上場企業数が比較的多く、実証研究を実施する際にデータの利用可能性が高いという特徴を持つ。国際的な環境の著しい変化とその変化への各国の制度・実務的対応についてデータの豊富な日本市場や企業を研究対象として考察することは非常に重要な意義を持つ。このため、日本市場における研究リソースにあたり、財務情報および非財務情報開示に関する会計実務、監査実務、各種法制度について改めて最新の情報を整理し、それに対応する企業の情報開示動向を調査した。 まず近年の有価証券報告書における統合報告の実態について再調査した。具体的には環境関連の情報や人的資本に関する開示の充実がはかられつつあるとされているが、国際的な動向と比較して日本の対応にはどのような特徴があるのか、またそのような開示実務になっているのはなぜなのかを考察した。また、以前からサステナビリティ報告書に任意監査を実施する企業が稀に見られたが、こうした監査実務に変化はみられるのかに関して過去のデータベースに組み込んで考察した。特に、国際的な統一基準設定の初期段階で議論になっている項目は重要性が高い項目が多く、環境や人権に関する情報項目、産業分類の方法、マテリアリティ(作成者側と利用者側の両方)の概念などに焦点をしぼって分析のフレームワークを構築し分析できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
国内外での基準設定に関する重要な外部環境の変化が発生し、その変化への対応を慎重に検討する必要があったため。
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今後の研究の推進方策 |
国内外でのサステナビリティ基準設定と実務対応についての方向性を確認した上で、研究課題の設定や研究手法の選択を再検討する。特に、国際的な基準(ISSB)、米国基準(SASB)、日本基準(SSBJ)等の基準設定主体が公表する情報を精査し、これまでの実務への影響や、新しく導入される開示内容を踏まえることが重要だと認識している。研究課題の設定については、こうした新たな方向性の中で、理論や実務への貢献が高いものに優先的に取り組んでいきたいと考えている。また、研究手法についても、開示環境の変化によってデータの質的特性、利用可能範囲、時系列の変化について慎重に検討を重ねながら最も研究課題に適した方法を採用しようと考えている。
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