研究課題/領域番号 |
19K13865
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分07100:会計学関連
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研究機関 | 東京都立大学 (2022-2023) 早稲田大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
町田 遼太 東京都立大学, 経営学研究科, 助教 (70779149)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 管理可能性原則 / コントロール・レバー / 業績評価 / 予算管理 / 原価管理 / 組織市民行動 / 役割理論 / 研究方法 / 質問表調査 / 会計学 / マネジメント・コントロール / 責任会計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,「権限と責任は一致させるべき」という社会的通念と管理会計実務における適用と組織が有する特質との関係を明らかにすることである。「管理可能性原則」はこの社会的通念を投影したものであり,古くから提唱されている。しかし,今日の経営環境において,その完全な適用は困難である。一般にわが国の経営実践は「権限よりも大きな責任を負う」ことが是とされているものの,これらの実態は明らかにされていない。本研究では,わが国企業の予算管理実務における「管理可能性原則」の適用の程度,すなわち日本的なアカウンタビリティを質問票調査に基づいた実態調査,統計分析およびフィールド・リサーチによって明らかにする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,既存の管理会計理論において支配的な概念とされてきた「管理可能性原則」の管理会計実務における適用と組織が有する特質との関係を明らかにすることである。この目的を達成するために,令和5年度は(1)管理可能性原則の適用の意義に関する文献レビュー(2)企業における適用の実態についてのフィールド・スタディおよび(3)周辺領域の3つの研究を実施した。
(1)については, 管理会計研究において管理可能性原則の厳密な適用が疑問視されるようになった1980年代前後以降の事例研究,実証研究および分析的研究について,文献レビューをおこなった。その成果については,令和6年度以降に公表予定である。また,並行して令和4年3月に実施した,日本のマネジャー約400名を対象としたウェブ調査の結果の分析を進めている。 (2)については,大規模な質問票調査に向けた測定尺度の検討,そして管理可能性原則の適用の帰結を示す事例の探索のために実施した。これらの成果については,令和6年度に実施予定の質問票調査に盛り込む。 (3)周辺領域として,次のような研究を行っている。例えば,個人の特質が目標の達成にどのような影響を与えているのかの実験研究を行っている。学部学生を対象とした実験室実験により現在データの取得を進めており,令和6年度にその成果を海外論文誌への投稿することを予定している。そのほか,企業の原価管理と業績管理の特徴を掴むために,製造原価明細書の記載内容と企業の諸変数との関係の分析を行なっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マネジャーの管理可能性の認知と従業員の行動との関係について,日本および数カ国のデータの取得を試みたが,新型コロナウィルスの影響による調査費用高騰のため,昨年度同様実施を見送った。最終年度となる令和6年度の前半に,Amazon Mechanical Turkまたは国内モニターを利用した質問票調査によって,海外比較については予定通り行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
海外比較についてはAmazon Mechanical Turkなどのデータベースを活用した調査に切り替える。これにより,令和6年度内にデータの取得等を終えられるものと考えている。
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