研究課題/領域番号 |
19K13877
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
渡部 沙織 東京大学, 医科学研究所, 特任研究員 (00828999)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 患者・市民参画(PPI) / 希少難治性疾患 / 質的調査 / ELSI / 遺伝学的市民権 / 希少疾患 / 質的研究 / 難病 / 患者・市民参画 / ジェネティック・シティズンシップ / 患者の研究参画 / 患者レジストリ |
研究開始時の研究の概要 |
シティズンシップ・モデルに基づく患者の主体的な研究参画を実現する国際的な制度的基盤を明らかにする事が、本研究の総合的な目標である。 本研究は、レジストリ研究やバイオバンク研究への参画等、直近の新しい患者の実践について、社会に参画するシティズンシップ獲得の手段として捉えるところに、独自のパースペクティブがある。先端的ゲノム研究や疾患レジストリ研究の進展に即した市民や患者の権利と責任に関する基礎的研究として、高い学術的・政策的貢献が見込まれる。
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研究成果の概要 |
本研究を通じて、希少難治性疾患の医薬品等開発におけるELSI(倫理的法的社会的課題)について、国際的な潮流の位相を踏まえながら日本国内における諸課題が明らかになった。本研究では、欧米諸国における患者や市民が医学研究に参画する権利と責任に関する議論や政策を前提としながら、患者・市民参画(PPI: Patient and Public Involvement)や遺伝学的市民権(ジェネティック・シティズンシップ)などの理論的な基盤が国内のステークホルダーにどのように理解・認識され、葛藤や障壁に直面しているかについて、探索的な質的調査や質問紙意識調査、政策研究を実施し分析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で実施したインタビュー調査を通じて、国内の希少難治性疾患の患者・家族や専門家、医薬品等開発企業が研究開発において認識している課題について、具体的な内容の位相や水準を構造化しながら概念的な抽出を試みた。また近年、ゲノム関連情報を中心に国レベルでの希少疾患の大規模なデータの集約が構想されているが、患者データの国内外での利活用の課題についても調査した。分析結果から、各ステークホルダーのデータ収集と利活用についてのリスクとベネフィットの評価の差異や、プライバシー保護やトレーサビリティに対する複雑な葛藤など、研究開発における希少疾患特有のスティグマや社会的脆弱性への配慮の必要性が示唆された。
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