研究課題/領域番号 |
19K13897
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) 関西学院大学 (2019) |
研究代表者 |
濱田 武士 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (60814465)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 集合的記憶 / 社会的忘却 / 災後復興 / 再生 / 保存現象 / 広島 / 長崎 / 沖縄 / 平和 / 被害の記憶 / 平和公園 / 社会の再生 / 歴史的環境 / 負の歴史的環境 / 災後社会 / 安全 / 経済成長 / 戦争被害への様々な対応 / 戦跡保存 / 災害復興 / 平和推進活動 / 復興 / 広島・長崎・沖縄 / 文化表象 |
研究開始時の研究の概要 |
日本社会において戦争体験者の不在が現実味を帯びてきているいま、自然災害の頻発とあいまって負の記憶をどう扱うかという問いが人文社会科学における重要なテーマになっている。これは例えば東日本大震災後に生じた「震災遺構」の存廃をめぐる議論に対して学術的知識や知見を提供することに関わる。 本研究課題では現代における負の記憶の問題に被災地の復興に関する調査研究を通じてアプローチする。具体的には原子爆弾により焦土となった広島と長崎、日本国内で唯一の戦場となった沖縄を調査地とし、数多くの人びとが犠牲になった大量死の現場を平和公園という形で再建することと、悲惨な経験に対する世の中のまなざしの消長等との関連を探る。
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研究成果の概要 |
本研究は、人類がかつて経験したことがない未来に及ぶ破滅的破壊と殺戮を生み出した広島と長崎の原爆被害後に、その破壊と殺戮の傷跡に対してどのような感情と思考・認識が造られ、人々と社会が対処してきたのかを明らかにするものである。 具体的には、現在の広島平和記念公園やユネスコ世界文化遺産にも登録された原爆ドームといった原爆被害の象徴が、悪夢の傷跡として撤去、消去する意識から、犠牲者の慰霊と追憶の場へ、さらには世界に平和をもたらすための聖地へと、付与される意味が変遷してきた過程を実証的に検証してきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原爆投下や地上戦というカタストロフィ後の社会と人々の対応は、実は、例えば1995年の阪神淡路大震災や、東日本大震災の後に出てきたさまざまな議論とも通底するものである。それは破滅的危機を経験した人々が、その記憶と向き合う辛い過程とも重なり合う。 現代社会に生きる人々は多くのリスクと共に生きている。そうした人々の生き方の創造のありようを広島、長崎、沖縄のカタストロフィの経験から探求することに本研究の意義がある。
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