研究課題/領域番号 |
19K13902
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 国立社会保障・人口問題研究所 |
研究代表者 |
余田 翔平 国立社会保障・人口問題研究所, 人口動向研究部, 第3室長 (70749150)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | シングルマザー / 生活時間 / 貧困 |
研究開始時の研究の概要 |
母子世帯において経済的貧困のリスクが高いことはよく知られた事実であるが、本研究では、シングルマザーが陥りがちな貧困のもう一つの側面である、時間的貧困(time poverty)の実態を計量的に明らかにする。具体的には、生活時間に関する日本の公的統計データ、およびそれと比較可能な英国の生活時間調査データを用いて、シングルマザーの時間的貧困のトレンドと階層差に関する実証分析を行う。
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研究成果の概要 |
ひとり親世帯の高い経済的貧困率はよく知られている。一方で、所得と並んで重要な資源である「時間」の配分について、ひとり親世帯と二人親世帯とでどれほど格差が存在するのかについては、データの制約もあり十分な知見が存在してこなかった。本研究では総務省「社会生活基本調査」の調査票情報の分析の結果、シングルマザーは有配偶男性ほどは有償労働に時間を割かず、家事・育児・介護等に割り当てる時間は有配偶女性よりも短いものの、両者を合計した総労働時間は有配偶男女よりも長いことが明らかになった。ただし、配偶関係による生活時間構造のこうした差異は1991年から2016年の間極めて安定的であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで一般的な社会調査において捕捉が困難であったひとり親世帯について、本研究では公的統計の調査票情報を用いることで精度の高い統計的知見を提供することができた。さらに、観察対象となった1990年代から2010年代にかけてひとり親世帯の生活時間構造が相対的に安定的であったことは、2000年代初頭のワークウェア改革を契機にひとり親世帯の生活時間パターンが大きく変化したというエビデンスが看取されなかったことを意味しており、その点において政策的含意を持つ。
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