研究課題/領域番号 |
19K13905
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉岡 洋介 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90733775)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 職業移動 / 大学生 / パネル調査 / コーホート / 交互作用効果 / 自尊感情 / 就職活動 / インターネット調査 / 能力 / 制度 / 有意抽出標本 / 大学卒業生 / ライフコース |
研究開始時の研究の概要 |
現代社会では、(学力とは独立した)大学生の能力と卒業後の職業移動とが密接に関わるという想定がなされている。そこで、「能力は、本当に卒業後の職業移動に影響するのか?」「その影響は制度的文脈に左右されるのではないか?」という2つの問いを検証する。在学時から卒業後3年目までの職業経歴の情報を追跡調査で得たパネルデータを利用する。また、制度の影響を同じタイミングに受けながら人生を歩む集団(コーホート)ごとに分析結果を比較し、制度の影響を検討する。制度としては大学生の就職活動についてのガイドラインである「採用選考指針」に注目する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、「大学生の個人特性は卒業後の職業移動に影響するのか?亅、「その影響は制度的文脈に左右されるのか?」の2つの問いを明らかにすることである。これらを検証するために、web調査会社のモニターである大学4年生に個人特性を調査し、卒業後3年目までに2度同一個人を追跡するパネル調査を実施した。また、異なる2つの卒業コーホートで分析結果を比較することで、就職活動に関する制度的文脈の影響を明らかにした。2つのコーホートをマージしたパネルデータの分析の結果、卒業後の早期離職を予測する個人特性変数は多くなく、コーホートによる交互作用効果もみられなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早期離職する若者の増加を背景に、若者が労働市場に参入する前の教育段階において学力とは独立した新しい能力を醸成することが、近年強調されている。本研究は、学力とは独立したどのような能力が、本当に学卒後の職業移動に影響するのかを実証的に明らかにするものである。大学4年生を学卒後も追跡したパネルデータの分析の結果、早期離職に影響を与えている在学時の能力をあらわす変数はあまりなかった。個人の資質や能力と職業キャリアの関連を実証的データで観察することは難しく、引き続き分析を進める必要がある。そして、実証的な根拠のないまま曖昧な能力の醸成ばかりを強調することには、社会的な議論が必要だと思われる。
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