研究課題/領域番号 |
19K13906
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 理絵 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (70837335)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 摂食障害 / 自助グループ / 家族会 / 生物医療化 / 医療社会学 / 身体 / 医療化 / 病いの意味 / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の精神科医療では、摂食障害の主たる症状を発達障害の観点から解釈し直そうという動きが進んでいる。これに伴い<摂食障害は、発達障害と同じく先天的な脳や神経の構造的な特徴によって引き起こされる>という考え方が台頭しており、本研究ではこれを摂食障害の「ニューロ・バイオロジカル」な説明モデルと呼ぶ。本研究の目的は、まず、医師・患者・家族の間でどのように流通してきたのかを明らかし、その上で、この説明モデルが、患者や家族のアイデンティティ形成や受領行動にどのような影響を与えているのかについて明らかにすることを目的とする。そのために、文献研究、インタビュー調査、史料調査を行うものである。
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研究成果の概要 |
本研究課題の成果として次の三点が挙げられる。一点目は学術的な発表である。2021年に博士論文を提出し、2019年と2021年に学会報告を行なった。これらの発表、論文では、本研究課題で行なった摂食障害の歴史的調査、インタビュー調査の分析内容を用いた。 二点目に、摂食障害に関する一般公開のシンポジウムを実施したことが挙げられる。具体的には、2022年3月から4月に全4回の企画を実施した。またシリーズ企画とは別途、一般公開の講演会に講師として登壇した。三点目に、今後の摂食障害研究をさらに発展させていくために、受刑者であって摂食障害を持つ方々をどのように捉えられるか刑務所の見学を通じて検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、日本における摂食障害に関する専門家の議論、制度、病いの経験などをめぐる歴史的変遷の分析を可能にする広範囲なデータの収集と分析を行なった点である。特に、インタビューでは55名の方に協力していただいた。異なる立場、地域、年代の方々から幅広く摂食障害をめぐる経験や考えを聞き取りを実施した。 社会的意義は、学術的な発表だけでなく一般公開の講演会で発表、議論したことである。特に、2022年に実施したシリーズ企画では、摂食障害の経験がありかつ摂食障害に関するさまざまな活動・社会的発信を行なっている方々とコラボレーションして企画・運営を行ったという点で、意義のある企画であった。
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