研究課題/領域番号 |
19K13913
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所 |
研究代表者 |
朴 沙羅 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, 研究部, 研究員 (40726973)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 方法論 / 識字運動 / オーラルヒストリー / ヘイトスピーチ / 出入国管理政策 / 日本 / フィンランド / 冷戦 / 非正規移住 / ナショナリズム / エスニシティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、第二次世界大戦後に再編された「国民」概念の論理を解明することで、戦後国際秩序の問題点と価値とを明らかにすることである。そのため、第二次世界大戦直後の日本とフィンランドにおける非正規移住の実態と、その対応を通じた出入国管理政策の成立過程および運用実態を調査する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、a) 移住1世への識字教育に携わった人々へのインタビュー調査・文献調査と論文執筆(学術書への寄稿)、b) オーラルヒストリーと社会調査の方法論に関する単著出版、c) 戦後直後の非正規移住への対策が日本の出入国管理政策に与えた影響に関する学会報告と論文(編著への寄稿)を行った。まずa) について、2021年度から出入国管理政策の展開に関連して在日コリアン1世女性を対象とした識字運動と、そこに関わった日本人講師を対象とした文献調査とインタビュー調査を行ってきたが、その結果を「身世打令を聞く」(岸政彦編, 『生活史論集』ナカニシヤ出版)にまとめ、刊行した。これは日本の出入国管理政策に伴い「外国人」となった在日コリアンの女性たちが、識字教室という場で社会運動に関わってきた日本人講師たちをより個別的に変容させていった過程を詳述したものである。かねてより申請者は女性や労働者、移住者、人種的マイノリティを対象とした識字教室が、いわゆる「下からの」オーラルヒストリー運動に大きな影響を及ぼしてきたと感じてきたが、a) は本研究プロジェクトと社会調査の方法論とを接続させる試みでもあった。b) に関しては、英米を中心としたオーラルヒストリー研究の方法論史と社会調査に与える示唆に関する学説史と、生活史データを社会学はいかに取り扱うことができるかという関心に基づいて2020年度から執筆を進めてきたが、2023年3月に有斐閣より単著が出版された。c) に関しては、2022年10月にエストニアはタルトゥ大学で日本における移民研究のレビューと出入国管理政策の歴史に関する学会報告を行い、12月には刊行予定の学術書に、日本のヘイトスピーチと出入国管理政策に関する論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会での報告、単著の執筆、学術書への寄稿を行なったため、概ね順調に進展したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
申請者には、これまで収集してきたフィンランドの出入国管理政策に関する資料や、「国際結婚を考える会」から寄贈されたミックスルーツの子供達と日本の出入国管理政策および国籍選択に関する資料がある。2022年度まで、新たな資料を精査する時間を取ることが難しかったが、2023年度はこれらを可能な限り精査し、また論文を執筆する。
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