研究課題/領域番号 |
19K13921
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
阪口 毅 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (20817209)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | コミュニティ / 移動性 / 領域性 / 境界 / 砂川闘争 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、ひとの移動や入れ替わりの激しい都市社会において、コミュニティの領域性(境界設定や帰属)がどのように維持あるいは変化していくのか、その歴史社会的な条件を明らかにすることである。東京郊外・立川砂川を事例として、「砂川闘争」以前/以降の複数の「集合的な出来事」を対象に歴史社会学的な分析を行うことで、ある特定の時期に多様な担い手の結集を可能とし、また別の時期に担い手の離脱や交代をもたらした要因は何か、その過程でコミュニティの領域性がどのように変化したのかを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本研究の目的は、都市社会においてコミュニティの三つの位相(関係的・制度的・象徴的位相)が相互連関し「一時的な体制」を形成する過程を分析することで、コミュニティの領域性に周期性や変動をもたらす歴史社会的条件を明らかにすることにある。そのための事例として東京郊外にある立川・砂川地域における「砂川闘争」以前/以降の複数の「集合的な出来事」を対象に、歴史社会学的な研究を行ってきた。 2023年度は、大きく2点の調査研究を遂行してきた。第1に、市民グループHの活動への参加型調査の継続である。これは過年度と同様に、毎月1回の定例会への参加の他、活動の担い手の一人としての役割を担い、フィールドワークやシンポジウムへの企画段階から参加することによって、議事録、会議資料、チラシ、パンフレット等の一次資料の収集にあたってきた。またインフォーマントである、市民グループHの代表へのインタビュー調査も行い、活動の経緯と近隣社会との関係構築の困難さについての知見を得ることができた。 第2に、砂川闘争当事者が保管する史資料の調査である。過年度にはインフォーマントの敷地内にある倉庫の調査を行い、砂川闘争当時の貴重な一次資料(日誌、チラシ、私信、署名簿等)を多数発見し、資料のクリーニングと保護作業を行い、調査目録と整理用の写真撮影の作業を完了した。2023年度は調査目録の整備と冊子体での発行にむけた編集作業を進め、市民グループHのメンバーを対象とした中間報告を行った。冊子体での発行には至らなかたたが、次年度には当該科研費プロジェクト全体の成果物となる予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度は、本務校のカリキュラム改変を迎え、直接担当者(教務委員長)としての業務が過大となって十分な研究時間を確保することができなかった。本研究において最も重要な歴史資料の収集・クリーニング後の、詳細目録作成作業を進めることができなかったことが、最大の問題であった。 一方で、コミュニティ研究の理論的枠組に関する昨年度の研究成果に対し、第16回地域社会学会奨励賞(個人著作部門)を受賞するなど、一定の評価を得ることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
研究成果をとりまとめる最終年度として、以下の調査研究および成果発表を行う。 なおコロナ禍による停滞と所属機関の改編に伴う業務により、当初予定していた「コミュニティの領域性に周期性や変動をもたらす歴史社会的条件を明らかにすること」という目的達成に遅れが生じていることから、まずはその前提となる、砂川闘争当時の歴史資料の調査・整理と今後の研究展開にむけたデータベース構築を、最優先の課題としたい。 (1)市民グループHへの参加型調査の継続、当事者との協働による資料整理、アーカイヴ化の事業の展開 (2)元拡張予定地をめぐる住民と市民の活動に関する文献調査およびインフォーマントへのインタビュー調査 (3)砂川闘争当時の歴史資料に関する目録およびデータベースの構築 (4)本研究に関連する、砂川地区の公営団地におけるコミュニティ調査のとりまとめと論文発表
|