研究課題/領域番号 |
19K13924
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
栗原 亘 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (80801779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アクターネットワーク理論 / 脱・人間中心的アプローチ / エコロジー / サイエンス・スタディーズ / 知のポリティクス / 専門知 / B. ラトゥール / H. コリンズ / B. ラトゥールの / 異種混成性 / ブリュノ・ラトゥール / 社会における「人間以外」 |
研究開始時の研究の概要 |
今日、人文社会科学の領域においては、脱・人間中心的アプローチ(NAA)と形容されるような諸議論が盛んに展開されている。しかし、その一方で、数を増やし続けるNAA的な諸議論が、相互にどのような関係にあるのかという点ついてはあまり論じられてこなかったといえる。そこで、本研究では、まずNAAの先駆けでもあるアクターネットワーク理論(ANT)に着目し、そのパースペクティブを学説史的な観点から明らかにする。その上で、それをその他のNAAの議論と比較検討する。そうすることで、ANTを一つの軸として、乱立状態にあるNAAの相互関係を整理し、その布置連関を明らかにすることを試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、脱・人間中心的アプローチと呼ばれる諸議論のなかでも、とくにその先駆けであり、かつもっとも言及されることの多いアクターネットワーク理論(ANT)を取り上げて検討した。まず2019年度には、ANTの成立した時代背景からANTが他のサイエンススタディーズとの関係のなかでどのように展開したのかなどを中心に整理・検討し、続く2020年度には、とくにエコロジーの領域におけるANTの意義を明確化した。これらの作業を通して、ANT、ひいては脱・人間中心的なアプローチの射程、意義、課題を明示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アクターネットワーク理論をはじめとする脱・人間中心的アプローチは、環境問題やテクノサイエンス・リスクなど、現代社会が直面している主題の中で顕在化する人間と非人間との関係性を正面から捉えることを目指している。いずれの主題も、社会的なインパクトをもち、人文社会科学の諸議論が今後取り組んでいくことがますます期待されるものである。そこにおいて脱・人間中心的アプローチは、人文社会科学が今後果たしうる役割や進むべき方向性の一端を示す可能性をもつ。本研究は、この脱・人間中心的アプローチの射程、意義、そして課題を明確化することによって、学術的にも社会的にも意義をもつものになったと考える。
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